お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

テンジクザメ幼魚

2022年09月26日 | 定置網
 今日は定置網漁で久し振りにテンジクザメの幼魚が入網。以前に撮った写真を見ると3年振りのご対面である。テンジクザメは以前にもブログで紹介しているが(ブログ2010 9.14)、その頃の標準和名はシロボシテンジクであった。その後、シロボシテンジクはテンジクザメと同種とされシロボシテンジクの標準和名は抹消されている。まだ鹿児島大学で魚ボラが始まる前に北海道大学の研究者に標本を送り、九州南部で繁殖している事を証明し、生物地理学会年報で報告してもらっている。ところがブログで紹介した時にも書いているのだが、それからも幼魚は獲れるのだが、成魚はやはり未だに獲れた事がない 。繁殖していることを証明したものの、その親魚を見つけることが出来ていない。いったい親魚はどこにいるのだろうか。


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今度は2個体 ヤシャカマス

2022年09月14日 | 定置網
 今日の定置網漁でまたヤシャカマスが入網。今回は2個体入る。1度に2個体入るのは初めてである。ヤシャカマスは2年前に日本初記録種として報告されているが、報告される前から定置網に入網しており、当時はオニカマスと思い写真にだけ収めていた。報告後、標本を確保する為に探していたのだが、見つけるまでに2年掛かっている(ブログ2022 7.9)。そんなヤシャカマスだが、今年は当たり年なのか、2ヶ月前からうちや他の定置網にポツポツと姿を見せ、うちの網だけでも今回が3・4個体目である。標本用に確保したのは最初に見つけた1個体目だけなのでもう少し確保したいところではあるが、ヤシャカマスが揚がる度にサイズアップしており、今回の個体も大きな方が8.7キロもある。先月確保したモノノケトンガリサカタザメ(ブログ2022 8.29)に比べれば大きな個体であっても確保し標本登録するのは楽かもしれないが、ヤシャカマスは売れる魚なのでコストを考えるとやはり小さな個体を求めたい思いである。今年の標本確保は諦めるも、今後何処まで大きなサイズの個体が揚がるのかが楽しみである。



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ヒレナガスズメダイ初確認

2022年09月11日 | 採集
 今回の貝採り(ブログ2022 9.11)で確実に採れる自信のあったテトラの場所では頼まれていた量を確保することが出来なかったので、このまま帰る訳にも行かずテトラの横まで探してみることにする。時間がもうあまりないので魚には目もくれず、ザっと探して行く。すると、魚は無視していたにも拘らず、非常に目立ち、目を引かれてしまう魚を発見。ヒレナガスズメダイの幼魚である。ヒレナガスズメダイはここの海域では初めて見る魚である。だが、南の方では普通種で特に幼魚時は体色が独特で綺麗な魚なので知っていた。見ていると同じ場所から動かず、周りに大きな岩なども無いので採集道具さえあれば採集出来そうである。だが、残念ではあるが今回はテトラ狙いだったので採集道具を持って来ておらず、写真だけで記録だけを残す事にする。家に帰り「薩摩半島沿岸の魚類」図鑑(ブログ2022 2.25)を見るとヒレナガスズメダイは生態写真のみ載っており標本写真はない。鹿大のデータベースを見ると種子島・屋久島から得られた標本はあるが県本土での標本は登録されてないので、採集すれば標本に基づく県本土初記録と思われる。大きな台風が接近中であるが、次回採集に来るまでこのままこの場所に居続けてくれるだろうか。

ヒレナガスズメダイ幼魚




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アオブダイ属2種初確認

2022年09月11日 | 採集
 今日は日曜日。日曜日は釣り人やレジャー客が多く、普段は海や港へは行かないのだが、貝を頼まれていてどうしても採りに行かなければならず素潜りに行く。今回は確実に貝を採る為にテトラへ行くので魚の採集は出来ない為、採集道具は持たずにカメラのみ持って行く。海に入るとテトラに付着しているサンゴが殆ど真っ白。今年は早い時期から海水温が高かったせいかサンゴは白化現象が起きているみたい。貝を探すが貝も高海水温のせいかなかなか見つからない。貝が見つからないとどうしても魚の方へ目が行ってしまう。そのような状況の中、見たことのないベラの仲間を発見。採集は出来ないので種を調べる為に写真を撮る。その後、突然アオブダイの群れの中から大きなアオブダイ属の魚が出現。見たことのない色彩の為、種がわからずこちらも写真を撮る。結局、貝は頼まれている量を採れずに終了。家に帰り撮った写真で魚種を調べる。ベラの仲間は全くわからないのでベラ図鑑を最初から全て見ていく。だが、同じと思われる種は見つからずネットでも調べるが特定出来ず諦める。今度はアオブダイ属と思われる魚を調べる。するとその鰓蓋の色や体側の色彩からスジブダイの雄個体と思われる。と、調べているとアオブダイ属の中に今回見たベラの仲間が載っているではないか。ベラの仲間と思っていた魚はブチブダイの幼魚であった。ベラの仲間によく見る尾柄部から尾鰭の間の上下に黒い小斑点があったので、ベラの仲間と思い込んでしまった。結局今回は新たにアオブダイ属の仲間を新たに2種確認することが出来た。今度は標本を確保したい思いである。

サンゴ類が白化現象で真っ白


初めて見るブチブダイ幼魚


アオブダイの群れ

初めて見る大きなスジブダイ雄個体

水面の方にはギンガメアジの幼魚の群れ


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うちの網にもギンガメアジ属

2022年09月10日 | 定置網
 2日前に定置網漁でロウニンアジが沢山入網。そして今日も定置網漁で網を起こして行くと数は少ないがロウニンアジがチラッと見える。取り上げるとロウニンアジではなくイトウオニヒラアジではないかと思っているギンガメアジ属の魚である。2か月前に標本は確保した(ブログ2022 7.20)のだが、形態的にはイトウオニヒラアジが一番近いがロウニンアジと数値が被るところもあり、同定結果はDNA解析待ちとなっている。ようやくうちの定置網にも入ってくれた。自分の所で獲れた個体も標本用に残しておきたいが、サイズが大きいので確保したら大学へ走らなければならず、今日は土曜日だし、水揚げ後は沖作業な為、時間が掛かりそうなので今回は確保するのを諦める。イトウオニヒラアジと同定が確定したらまた確保しようと考えている。でも、脂がのっていて魚の評価が良くなって来ているので、早めに標本を確保しないと値が上がってしまい確保し難くなってしまう恐れもある。評価や値が上がるのは大変に嬉しい事なので仕方ないか。
イトウオニヒラアジと思われるギンガメアジ属の魚



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リュウキュウヨロイアジかぁ

2022年09月09日 | 定置網
 今日は定置網漁でヒラアジを発見。リュウキュウヨロイアジやマルヒラアジみたいであるが若干違和感を感じる。昨日、うちの定置網でオオクチイケカツオが入網(ブログ2022 9.8)しているだけに、南の方から黒潮に乗って来た国内未記録種を疑う。漁を終え帰港するまでの間にあちこち確認するが、よく見ればリュウキュウヨロイアジの普段見るサイズよりも成長した個体の様であり残念。昨日、オオクチイケカツオを見ていなかったらこの個体は普通にスルーしていたかもしれない。でも、今までは自分の思い込みでスルーしてしまった過ちが何度もあるので、疑う事が重要である。今回はちょっとはワクワク感を感じられたので良かったのかな。
リュウキュウヨロイアジ



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台風の置き土産でオオクチイケカツオ初入網

2022年09月08日 | 定置網
 台風11号が接近し強風域に入るが暴風域には入らなそうなので定置網は揚げずに入れたままであった。一昨日台風が通過したものの昨日は吹き返しが吹き時化。という事で今日は4日振りの定置網操業となる。網を起こして行くとアカシュモクザメが多く泳いでおり、期待外れな予感。ところが網を絞ると底の方には大きめのロウニンアジとギンガメアジが多く、大漁。そのような状況の中、網の中で泳いでいるロウニンアジの中に体型的に細長い個体を発見するが魚種までは確認出来ずに見失う。結局何だったかわからずに帰港。そして、水揚げ中にその魚が出て来て判明。オオクチイケカツオである。オオクチイケカツオはうちの定置網では初入網であるが、以前にお隣の定置網で獲れた事があり(ブログ2019 3.9)、標本に基づく日本からの3例目の記録として報告している。その後も各地で見つかっているらしくネット上で何度も見ているが、標本登録や報告はされていない模様。今回の個体はここでは2個体目であり、貴重な魚なので標本用に確保する。標本を確保したので大学へ標本登録に行こうかと思うが、今月は確か日本魚類学会の年会があったと記憶しており、魚ボラの先生や学生が居ない恐れがある。先生に連絡すると学会年会は来週で学生はまだ大学にいるとの事。更に今日、たまたまうちの隣町に学生の何人かが魚類調査に来ているというのでそちらに連絡してもらう。そして魚類調査も終わり帰り際に近くで待ち合わせ、学生に標本を手渡し、託したので今回は隣町まで走っただけで大学まで走らずに済む。今回は3年振りにオオクチイケカツオに出会うことが出来、嬉しい台風の置き土産となった。
大漁のロウニンアジ

ロウニンアジ

オオクチイケカツオ



魚類調査に来ていた学生達
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スーパーでタキゲンロクダイ発見!

2022年09月04日 | 日記
 台風11号接近中。今日は日曜日であるが台風の影響で中央市場の休みが変更となり、うちの市場が開市となったので仕事となる。定置網漁を操業後、本船を築港に避難させ仕事終了。仕事が早く終わったのでカミさんと鹿児島へ買い物に出掛ける。目的地ではなかったが、昔から気になっていたがまだ一度も行った事のないスーパーを覗いてみる。品揃えが他のスーパーとはちょっと違い面白そうではあるが、わざわざ行くまではないなと思いながら店内を見て回る。すると鮮魚コーナーもあり、そこで驚く。普通の鮮魚が並ぶ中、タキゲンロクダイがパック詰めされ売られているではないか。種名がツバメウオとなっておりツッコミどころではあるが、それよりもタキゲンロクダイであることが衝撃過ぎる。チョウチョウウオの仲間なので食べれば美味しいかもしれないが、この魚が流通していることも驚きである。先日も水中カメラでタキゲンロクダイを確認したり、標本も確保したばかりである(ブログ2022 8.30)。普段は滅多に目にしないタキゲンロクダイであるが、ここに来て立て続けに出会うとは。今回は家に帰るまでにはまだ時間があり、保冷出来ないので確保するのは諦める。でも、これで今後鹿児島に来る時はこのスーパーを覗かない訳にはいかなくなってしまう。

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