お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

2年越しに完成 タカノハダイの成長過程

2023年03月29日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げしていると、お隣の定置網の方が小さな魚を持って来てくれる。見るとタカノハダイの稚魚である。タカノハダイの稚魚には7本程の斜めの横帯がある。その横帯がまだ背面のみで腹部まで伸びていない個体であり探していた標本である。一昨年、タカノハダイの稚魚だと思っていた個体がミギマキであることを指摘され(ブログ2021 3.6)、今まで撮り溜めた写真を見直すと別のタカノハダイの稚魚と思っていた写真がユウダチタカノハの稚魚であることがわかる。その結果、タカノハダイの横帯がまだ伸びていない稚魚の標本写真を持っていない事が判明。判明した時は既に標本を確保するには時期的に過ぎてしまい、翌年その個体を確保しようと考え、取り敢えずユウダチタカノハとミギマキの2種の写真が揃ったので成長過程がわかる画像を作りアップした。ユウダチタカノハ(ブログ2021 4.8)、ミギマキ(ブログ2021 4.8)。だが、昨年はその個体が見つからず、今年も既にタカノハダイの稚魚が入網するも既に横帯は腹部まで伸びた個体ばかりであり、諦めかけていた。そのような状況の中、救世主の様に標本を確保して頂き、本当に有難い。これで成長過程の画像が出来ると期待しながら撮影へ。すると鰭を立てようとするがよく見えない。サイズ的にそこまで小さい訳でもないのに綺麗に展鰭出来ず、改めて歳をとったことを実感。下手に鰭を立てるよりも弄らない方が良さそうなのでそのままの状態で撮影する事に。更に腹部が少し膨らんでいたので触ると穴が開き傷付いてしまう。これでこの個体を使うのを止めようと考えるも、この個体を使うのを諦めると次回はまた来年以降になりそうなのでこの個体を使う事にする。撮影後、今までの写真を並べ完成。これでタカノハダイ科3種全ての成長過程の画像を作ることが出来た。だが、完成形ではなく、今後、綺麗な個体が見つかれば入れ替えようと思う。
タカノハダイ稚魚


タカノハダイの成長過程



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見つけた事に驚き ミジンベニハゼ

2023年03月23日 | 定置網
 今日はもう1種。水揚げしているとお隣の定置網の方が珍しい魚が獲れたと持って来てくれる。見るとミジンベニハゼである。ミジンベニハゼが混獲で定置網に入るとは珍しい。うちの定置網でもミジンベニハゼは今までに何度も確保している(ブログ2008 11.5)が、全てが網替え時に網に付着したフジツボなどに隠れていた個体が網と一緒に船の上に揚がっていただけである。今回頂いた個体はどのような経緯で網に入ったのかが気になる。それよりもこの指先にちょこんと乗る程の小さな魚を沢山の雑魚の中から見つけた事に驚く。体色が黄色くて目立つので目についたのかな。
ミジンベニハゼ
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懐かしいトゲカナガシラ

2023年03月23日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で選別作業をしていると久し振りにトゲカナガシラを発見。トゲカナガシラは私がこの仕事を始めた30年程前は毎日定置網に普通に入っており、多い時はトロ箱1つ位はあった。高級魚ホウボウの仲間であるのだがサイズが小さく、鮮魚として水揚げは出来ない。その当時の雑魚として定番であったが頭部が大きく硬い為、養殖魚の餌用の雑魚の中にも入れてはいけなく、選別して取り除いていた。だが、毎日普通に獲れていたトゲカナガシラであるがいつの間にか急激に数が減り、ここ近年では稀な魚となってしまっている。同じホウボウ科のホウボウは数が減って来ている感じはしないのだが、カナガシラ属の他種は更に見なくなってしまっている。急激に減った原因もわからず更に何時頃から減ってしまったのかもよく覚えていない。水揚げ出来ない魚なので記録も残っておらず、気付かれずに姿を消してしまうという事は恐ろしい事である。
トゲカナガシラ


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シマハナビラウオの成長過程

2023年03月15日 | 定置網
 最近は定置網内にクラゲ類やクシクラゲ類が多く見られ、そのような時期になって来た感じである。クラゲに着いて泳ぐエボシダイ科魚類などは特にこの時期に採集する事が多い。そう思っていると今日の定置網でシマハナビラウオが入網。定置網では久し振りである。シマハナビラウオは珍しい魚であるが、以前は毎年定置網でクラゲ類と共に網に入っていたので魚ボラの標本用にも確保してきた。だが、最近は姿を見せず、一昨年の夜間採集で久し振りに採集している(ブログ2021 12.18)。その時の個体が今まで出会ったシマハナビラウオの中で最小の個体であった。今回の個体ももちろん魚ボラの標本用に確保する。一昨年の夜間採集で得られた個体が最小だったので、今まで撮り溜めた写真で成長過程がわかる画像を作ってみた。だが、シマハナビラウオはこの後生息域を表層から深海へと移す為、定置網ではその後の個体を入手出来ないので、深海生活になるまでの成長過程である。ちなみにこの画像は体長が30㎜~120㎜である。
シマハナビラウオ


シマハナビラウオの成長過程
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久し振りのイタチザメ

2023年03月14日 | 定置網
 今日は定置網漁で久し振りにイタチザメが入網。標本用にはちょっと大きな感じであり、あっさりと確保するのを諦め、鉤竿で引っ掛けデッキ上に揚げる。意外と暴れないのでそのまま放置し作業に戻る。市場に帰港後本船のクレーンを使って揚げたものの頑張れば大学へは持ち込めそうなサイズである。一応薩摩半島沿岸の魚類図鑑刊行前に標本用には確保しており(ブログ2018 12.10)(ブログ2018 12.12)、図鑑での標本写真の掲載は間に合っている。だが、前回ホホジロザメを確保し持ち込んでいるので(ブログ2022 12.12)、それに比べればインパクトに欠け標本用に確保しようとする意欲も欠け、普通に水揚げする。でも、今後ホホジロザメよりもインパクトのある標本用に確保しようと思えるサメに出会えるのだろうか。
イタチザメ



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平凡な夜間採集

2023年03月11日 | 採集
 最近は定置網漁や市場では面白い魚が見つからず、楽しくない日々が続いている。だが、3月と言えば夜間採集で私が一番期待している月である。以前に3月に非常に面白い稚魚が多く採れたことがあり(ブログ2007 3.17)、このような状況な為今日は土曜日と言う事で夜間採集に期待する。港に着くと風は無く、海の中が良く見える。すると早速いつもは見ない稚魚を見つける。動きからドロメの稚魚かなと思いながら採集。暗いし小さいので一応確保して家に帰ってから確認する事に。その後もムツの稚魚かなと思い採集するとやはりそうである。更にヨウジウオの仲間を見つけ採集。普通のヨウジウオっぽいがこちらも一応確保して家で確認する事に。結局そのほかは見つからず終了。家に帰り写真を撮ってよく見るとドロメの稚魚かと思った個体もヨウジウオと思った個体も共にその通りであり、採集する前に魚種がわかってしまった平凡な普通の採集となってしまった。


ドロメ稚魚

ムツ稚魚



ヨウジウオ
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タイワンアイノコイワシ

2023年03月08日 | 定置網
 ここ数年カタクチイワシが少なくなっている。親魚が減っているからか毎年12月頃に定置網に入るシラスも昨年は全く見ていない。最近やっとシラスが見えて来たと思ったらウルメイワシのシラスである。その雑魚の中にカタクチイワシの親魚も混ざっている。取り上げるとカタクチイワシよりも別種に目が行く。体の中央部に銀色帯が通っていて頭部が小さくタイワンアイノコイワシと思われる。今日はカタクチイワシの親魚よりもこのタイワンアイノコイワシの方が数が多い。数が多いと言っても知れた量。雑魚の中で一番占めているのはやはりカタボシイワシである。
タイワンアイノコイワシ

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