お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

初採集 スジギンポにセンカエルウオ

2016年10月29日 | 採集
 今日は土曜日なのでいつものように港へ夜間採集へ行く。だが、いつもの場所へ行くと釣り人が居て、タモ網でガサガサ漁れる状態ではない。なので別の港へ遠征する。だが、移動したものの今夜は釣り人が多く採集出来る場所がない。という事で以前にナミノハナを採集した港へ行く。この港は外灯が無く普段の夜間採集とは趣旨が違うが、ナミノハナはまだ1個体しか確保していないので採集に行く。港に着くと干潮で潮が下げている。港のスベリを見ると所々人工的な穴が開いており、そこが潮だまりのようになっている。覗いてみるとカエルウオの仲間が確認でき、採集する。どの穴にも数個体姿があり、よく見ると数種確認できるので一応できるだけ採集する。全ての穴を見終わるとたくさんのカエルウオの仲間を採集することが出来た。その後、バケツの中を電気で照らし、各魚種を数個体だけ確保し、後は逃がす。その後、ナミノハナの採集を試みるが今回は採集出来ず。家に帰り採集した魚をよく観察するとイソギンポ科の魚を5種確保できた。そのうち、カエルウオの体形で体側の模様の違う2種は初めて見る魚であり魚種名はわからず、調べるとスジギンポにセンカエルウオであった。勿論、初採集となる。今回、釣り人が居たお陰で2種も初採集種することが出来た。


カエルウオ


ホシギンポ




初採集 スジギンポ


初採集 センカエルウオ

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ホシザヨリ

2016年10月24日 | 定置網
 今日は定置網でホシザヨリが1個体獲れる。このホシザヨリ、20年くらい前は普通に獲れていたものの徐々に姿を消し、最近は獲れなく珍しい魚となってしまった魚である。1個体ではあるが久し振りに入網。状態も良いので標本用に確保する。このホシザヨリもそうだが、ここの市場では普通のサヨリは高級魚として水揚げされ売れるものの、他のサヨリの仲間は売れず、水揚げできたとしても雑魚扱いである。姿を消しても誰も気付かない魚である。

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ユリサヨリ?マルサヨリ?

2016年10月20日 | 定置網
 今日は定置網で細身の小さなサヨリの仲間が1個体獲れる。うちの定置網でよく獲れるサヨリの仲間はナンヨウサヨリである。これまでこの細身の小さなサヨリはナンヨウサヨリの小さな個体だと思っていた。だが、私が魚ボラで標本登録してもらったリストの中にユリサヨリと言う覚えの無い、また聞いた事の無いサヨリの仲間の名があった。心当たりのあるサヨリとなると、今回獲れたこの細身の小さなサヨリの仲間が思い浮かび、新たに撮影する為に探していた。持ち帰り撮影を終え、これで終わりと思っていた。一応、検索図鑑で同定を試みる。撮影した画像から臀鰭軟条数を数えると17軟条である。ユリサヨリと一致するがもう1種マルサヨリも該当する。この2種の違いは上顎の長さと幅の割合である。だが、この割合が微妙な値で、ユリサヨリは長さに対して幅が0.85~1.0倍、マルサヨリは0.65~0.85倍となっている。見た感じでは幅の方が長い事はわかるが、その割合は微妙である。検索も微妙な値での違いなので正確な計測が必要である。だが、このサイズなので家での計測は不可能であり自分での検索はここで終了。結局、魚ボラ任せとなる。


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初採集その4 オボロゲタテガミカエルウオ

2016年10月12日 | 採集
 今回の素潜り採集で1番の目玉となったのが、このオボロゲタテガミカエルウオである。昨年、この場所でヒトスジギンポを初めて見つけ初採集した。今回も見つける事が出来ないかと昨年のようにサンゴをしばらく眺め、ちょこちょこ動くイソギンポ類を探す。するとヒトスジギンポでは無いが、よく見るニラミギンポでも無い真っ黒で地味なイソギンポの仲間を見つける。魚種名はわからないがまだ未採集なので採集する。その後もまた同じ種と思うが一応採集し、大小2個体採集する。この仲間は種が多く私はよく知らないのでFBに投稿する。するとオボロゲタテガミカエルウオではないかとコメントが入る。魚は知らないがこの魚種名には覚えがある。調べてみると8年前の鹿大等で屋久島を調査した時に見つかり、日本初記録種として発表されていた魚である。その時作成された屋久島の魚類図鑑を見てみると載っている。という事はこの個体は北限の更新になるのだろうかと思う。更に調べると、何と私も投稿したNature of Kagoshimaの最新号にも載っているではないか。しかも採集地がここから目と鼻の先の甑島である。甑島の方が北という事で北限記録更新も幻となり、分布域が屋久島から甑島までの空白を埋めるものだけとなる。だが、甑島は目の前であるが島である。となると本土初記録という事で報告のネタにはなりそうである。だが、こうなればもう新鮮さが無く興味を持たれないだろう。


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初採集その3 ヨツメトラギス

2016年10月12日 | 採集
 素潜り採集時によく見るトラギス属の魚がコウライトラギスである。だが、そのコウライトラギスの他に別種のトラギス属の魚も確認することがある。ところが、まだ採集した事は無く、更にその魚種が何であるか調べた事も無いのでいずれ確認しなければと思っていた。今回、たまたま採集しやすい場所でコウライトラギスでは無いトラギス属の魚を見つけたので迷わす採集する。この魚を見た時に特徴として尾鰭に白色斑が確認できる。これなら直ぐに同定できるだろうと思っていた。実際に調べると尾鰭に白色斑があるのはワヌケトラギスとヨツメトラギスである。ワヌケトラギスは尾鰭の白色斑の前に大きな暗色斑がある。だが、この個体にはその暗色斑が無い。という事でヨツメトラギスだろうと思うも、ヨツメトラギスは鰓孔上端の上に暗色斑があるのだが、この個体にはそれが確認できない。という事でどちらだろうかと迷い悩む。どちらかというと尾鰭の暗色斑は明瞭には表れない場合があるだろうと考え、この個体はワヌケトラギスの方だろうと考えた。だが、それをFBで指摘され、ヨツメトラギスではないかとなる。そこで更によく調べると鰓孔上端の上の暗色斑は雄のみに表れ、雌には表れないとの事。それならばこの個体はヨツメトラギスの雌個体となり、魚種名がハッキリとする。今回の個体は魚種名がハッキリとしたものの、よく見るコウライトラギスではないトラギス属の魚が全てヨツメトラギスかどうかは定かではない。今回でこのヨツメトラギスという魚がどのような魚か覚えたので、今後の素潜り採集時に他のトラギス属の魚がいないか探してみなければならない。


ヨツメトラギス
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初採集その2 サザナミトサカハギ幼魚

2016年10月12日 | 採集
 今回の素潜り採集で初採集したサザナミトサカハギの幼魚。この魚もここでは初めて見る魚であるが珍しい魚ではなく各地で確認されており、逆に今まで見る事ができなかったのが不思議なくらいである。この場所でのテングハギ属の幼魚の出現は、例年だと普通のテングハギにヒメテングハギであるが、今回はサザナミトサカハギにツマリテングハギであり、いつものパターンとは異なる。更に普通のテングハギは後に1個体確認できたがヒメテングハギは確認できなかった。更にこのサザナミトサカハギとツマリテングハギは数個体確認することができ、このテングハギ属幼魚の出現を考えても例年とは違う魚類相となっている感じである。このサザナミトサカハギ幼魚も今回何度か採集に失敗するも、最終的に1個体採集し標本用に確保することができる。


サザナミトサカハギ幼魚
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初採集その1 ムシベラ幼魚

2016年10月12日 | 採集
 今回の素潜り採集で初採集したムシベラの幼魚。この魚は初めて見る魚であり、その場ではベラの仲間である事はわかるが、種名は見当もつかない状況である。また、背鰭、臀鰭の後方に眼状斑があるので幼魚ではないかと察する。種名すらわからないので、これは絶対に採集しようとチャレンジするがそこはベラの仲間。動きが素早く逃げられてしまい完全に見失う。諦め別の魚を探す。今回、このムシベラは初めて見る魚であるが何度も見つけ、そのたびに採集を試みるが全て逃げられてしまう。そんな中、別の魚を採集している最中に突如目の前にこのムシベラが現れ、遂に採集に成功する。まだ何個体もこの場にいるので、今度は成長した個体を採集したいものである。


ムシベラ幼魚
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今期初の素潜り採集

2016年10月12日 | 採集
 もう10月である。今年はまだ一度も素潜り採集を行っていない。夏前までは潜ったものの、本業の貝採りばかりに追われていた。その時点ではまだめぼしい魚は見られなかったので夏からが勝負と思っていた。ところが足を怪我した事で潜る事が出来ないでいた。ようやく完治したものの時は既に10月である。今日は平日ではあるが仕事が早く終わったので今期初の素潜り採集へ行く。潜ると濁りがあるものの、魚を探すのには支障ない位。散策すると魚の感じは夏前とは全く違う感じで期待できそう。まずは昨年採集出来なかったオオスジヒメジを探すがなかなか見つからず。そんな中、ここでは初めて見る魚を見つけ、採集しようとするが失敗。その後もまたまた初めて見る魚と出会い、オオスジヒメジのみを探すのを諦め、初採集に専念する。最終的にムシベラ、サザナミトサカハギ幼魚、オボロゲタテガミカエルウオ、ヨツメトラギスの4種を初採集することが出来た。今回初採集した魚達はこの個体だけでなく数個体確認でき、たまたま流れて来た魚ではない感じがする。という事は例年とは違った潮が入って来ていて、まだまだこれからも初確認の魚を期待できそうである。





初めてヒメフエダイ幼魚を見つけるが採集は出来ず


初採集ではない魚達



ツマリテングハギ幼魚



コガシラベラ幼魚



オジサン幼魚?稚魚?
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不運

2016年10月08日 | 採集
 数日前に台風18号が通過し、ここも強風域に入る。だが、台風という程の風は吹かなかった。今日は土曜日という事で夜間採集の日。台風明けという事で何か面白い魚がいないかとワクワクするが、風が吹いていて港へ行くかどうするかと迷う。台風明けという事もあり、決行する。港に着くと意外や意外。風の影響を受けてなく、これなら十分に採集が出来そうな状態である。早速採集を始めようと車を降りた途端に雨が降って来る。直ぐに車の中へ戻り雨が止むのを待とうとするも、雨脚は強くなり、豪雨となってしまう。携帯電話で雨雲の状況を確認すると豪雨が続き暫く止みそうにない。結局、採集は諦め帰宅する。今回は風ばかり気にして雨を考えていなかった。家を出る前にレーダーで雨雲を確認していれば悩むことなく諦めていただろう。
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テンジクダツ

2016年10月06日 | 定置網
 毎年夏から定置網にはダツ類が多く入る。今年もその現象は同じであるが例年とは違う。例年はハマダツが非常に多く、そこにオキザヨリが混ざる感じである。ところが今年は違う。ここに来て急にテンジクダツがたくさん入網している。そして今日はほとんどがテンジクダツである。テンジクダツは今までにも獲れた事はあり、写真には収めてはいる。だが、標本用としてはまだ確保はしていなかった。ハマダツ、オキザヨリはここでは売れない魚である。その魚達がテンジクダツに替わったところで同じダツの仲間。やはり売れない厄介者ものである。



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