お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

邪魔をしてしまったかな

2021年06月24日 | 採集
 今日の素潜り採集も夕方となり、海の中はもう薄暗く終了。陸に上がろうとエントリーした場所に戻る。波打ち際ギリギリまで泳いで行くと前方から沢山のクサフグが勢いよくこちらに向かって泳いで来て、私をすり抜けて深い方へ逃げて行く。この場所はサンゴ礁が多く、砂地に生息するクサフグは普段はあまり見かけない。それがどうしたことか沢山のクサフグが群れを成している。その中をかき分け陸に上がる。どうしたのだろうかと考えてみると、今日は大潮でもう少しで満潮時間である。クサフグは今が産卵期で大潮の満潮時にたくさん集まり、波打ち際の石の隙間で一斉に産卵するのである。山口県ではクサフグの産卵場所を県の天然記念物に指定されている場所もある。もしかするとクサフグが産卵しようと集まっていたところを私が運悪く通り掛かり、産卵の邪魔をしてしまったのではないだろうか。私も一度何処かの浜でクサフグの産卵行動を観察してみたいと思っていたが、まさかこの場所で行われようとしていたとは思いもしなかった。私が海から上がって来た事によってクサフグの産卵を邪魔してしまったのであれば非常に申し訳ないのだが、こればかりはクサフグにとって運が悪かったと仕方なく思うところでもある。







みんな居なくなってしまう


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素潜り採集そのほか

2021年06月24日 | 採集
 今日の素潜り採集で、カンモンハタ、ニラミギンポ黄化個体の他に見ることが出来た魚達。海水温が上がり、急に魚種が増えて来て、今後が楽しみ。

インドヒメジ幼魚



オオスジヒメジ幼魚



アブラヤッコ(いつもの様に直ぐに逃げ去る)



マルクチヒメジ幼魚(黄色い魚)今回採集



卵を守るセダカスズメダイ(威嚇してくる)



ハッチアウト間近のセダカスズメダイの卵



擬態その1 オニカサゴ属



擬態その2 オニカサゴ属



今日の採集魚



オボロゲタテガミカエルウオ(ここで3個体目)



マルクチヒメジ(陸に上がったら潰れていた)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニラミギンポ黄化個体

2021年06月24日 | 採集
 今日の素潜り採集で数年振りにニラミギンポの黄化個体を発見。採集したかったが運が悪く、採集道具を入れている浮輪からかなり離れた場所で見つけた為、採集は諦め証拠用に写真だけ撮る。体が黄色いからか、目立たぬように黄色の海綿に寄り添っている。このニラミギンポの黄化個体を初めて見つけた時は、別種かひょっとして婚姻色が現れたニラミギンポかと思っていた。その時は水中カメラも無く、脳裏に焼き付け家に帰ってから図鑑で直ぐに調べた。だが、図鑑ではわからずネットで調べ、ニラミギンポにも黄化個体が存在する事を初めて知る。それからは直ぐにでも採集しようと思うが冬になり素潜りの時期が過ぎてしまう。すると、その年末に鹿大の魚類研究室で魚類調査が行われ(ブログ2018 12.16)、ダイビングチームがこのニラミギンポ黄化個体を数個体採集して来たのである。これで取り敢えずは直ぐに標本収集する必要が無くなる。それから数年、普通のニラミギンポは毎回見るものの、黄化個体とは出会っていなかった。今回写真を撮りながら行動を見ていると、普通のニラミギンポ同様に行動範囲は非常に狭く、これなら採集道具さえあれば採集出来そうである。普通のニラミギンポも体側後半から尾鰭に掛けて黄色く綺麗であるが、この黄化個体は更に綺麗である。自分用に標本写真も欲しいので、今度こそは採集して標本写真を撮りたいと思う次第である。だが、今度はいつ出会えるだろうか。

ニラミギンポ黄化個体













普通のニラミギンポ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遂に採集カンモンハタ

2021年06月24日 | 採集
 今日は仕事が午前中で終わったので、午後から素潜り採集に行く。前回よりも海水温が上がり、ちょっとは期待。海に入ると少し濁りがあるものの、やはりカラフルな魚種が増えたような感じ。昨年この場所でカンモンハタを初確認したものの、採集することが出来ないでいた。更に今年も2回素潜りで探したが、見つかっていない。そのような状況ではあるが、今年も遂に発見。だが、そこは昨年何度も苦労して採集にチャレンジしたが、すばしっこく採集出来なかったカンモンハタである。今回も採集にチャレンジしたが見失ってしまう。その後も見つけるがやはり失敗。その後、今日3個体目を発見するも既に夕方で薄暗くなってしまっている。ダメ元で採集にチャレンジ。一度逃げられるも隣の岩の下に逃げ込むところを確認。そこをアタックし採集に成功。遂にカンモンハタを初採集することが出来た。6月とまだ早い時期に採集出来るとは思っていなかったので大満足である。今回は3個体確認する事が出来たが、やはり海水温が上がったので現れたのだろう。今回は幼魚なので、今後サイズアップを期待したい。

岩の下にカンモンハタを発見









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別種のミミズハゼゲット

2021年06月23日 | 採集
 昨日、所用で鹿児島まで行ったので、序に溜まった冷凍標本を鹿大へ持って行く。その時にまた学生にミミズハゼ、オオミミズハゼ以外の別種について詳しく教えて頂く。今回は地元の具体的な場所まで教えて頂いた。そこで早速今日、仕事帰りにその場所に寄ってみる。現場に行くと丁度潮は下げておりタイミングは良い。場所的に探せる範囲は狭い所なので気軽な感じで石の裏だけ見ようとスコップも持たずに探してみる。隠れていそうな感じの石の裏を探していくがその下の砂利も気になり、結局は素手で掘ってしまう。するとミミズハゼを発見。見た感じでは今まで採集した種と同じようにも見える。その後も探すと今度は細かい砂の中に小さなゴカイ系の生物を見つける。そのままゴカイの仲間だろうとスルーしようとすると、ゴカイ系の動きではなく魚の動きをする。水の中に入れるとやはりミミズハゼのようである。同じように砂の中を探すとその後も見つかり3個体確保。持ち帰り写真を撮り拡大して見ると、この小さなミミズハゼの仲間は今まで採集したミミズハゼ、オオミミズハゼとは違い、体型が明らかに細長い。これは別種確定だろうと感じる。一応、学生にメールで写真を送る。すると直ぐに返事が来てナガミミズハゼとの事。これでようやくミミズハゼ属3種目を採集することが出来た。だが、ミミズハゼ類は十数種確認されている。地元に生息するミミズハゼ類はまだまだいるはず。これからも礫や砂利を掘り続けていくであろう。





オオミミズハゼ





ナガミミズハゼ





オオミミズハゼ




ナガミミズハゼ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初入網だけど ユカタハゼ

2021年06月17日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、市場の選別台で雑魚の選別作業をしていると小さなハゼを発見。見ると体側に斑紋が縦列している。これはもしかして25年程前までは定置網に毎日入網していたサビハゼではないだろうか。だが、サビハゼはその後急に姿を消してしまい、とても残念に思っていた。状態は良くないが今回数十年振りにサビハゼが入りとても嬉しい思いである。サビハゼはまだデジカメが世に普及する前に姿を消してしまったので、これでようやくデジカメで写真が撮れる。家に帰り撮影の準備。標本を展鰭して撮影水槽に入れ、水に浸けているのでサビハゼの特徴であるアゴのヒゲも写る様に筆で立てようとする。だが、いくら筆でアゴを撫でてもヒゲが現れない。この時点でこれはひょっとして別種ではないかと疑う。改めてサビハゼの写真をよく見る。するとサビハゼは体側に縦列斑紋の他に細かい黒斑も散在しているが、この個体ではそれが確認できない。更に頭部もヨシノボリの様に丸い感じであり、この個体はサビハゼではないみたい。撮影後、撮った写真から同定するとユカタハゼとなる。ユカタハゼは今まで聞いた事のない種名で初めて認識する。更にユカタハゼとなると定置網で初入網となる。今日はもう1種ナベカも初入網と言う事で、1日で2種も初入網となる。これは嬉しい事である。だが、サビハゼと久し振りに対面出来た嬉しさが無くなり微妙な感じである。どちらかと言うとユカタハゼの初入網よりもサビハゼとのご対面の方が自分としてはテンションが上がっていた感じである。やはりアゴに細かい無数のヒゲを生やしたサビハゼの写真を撮りたかった思いである。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初確認・初入網のナベカ稚魚

2021年06月17日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと、水面に小さな稚魚が泳いでいるのが目に付く。泳ぎ方や体型からイソギンポの稚魚の様に見えるが、胸鰭が暗色である。この暗色の胸鰭が目立ち気付いたのだが、イソギンポは夜間採集で採集した稚魚は半透明であったので、その成長過程と思い写真に収めようと採集する。生かして持ち帰り、水槽に入れて撮影。その撮った写真を拡大して見ると、頭部は緑色の半透明で横帯が数本確認できる。これはナベカではないか。ナベカは北海道から九州南部にかけて普通に見られる温帯性の普通種であるが、私が鹿児島に来てからは目にする事がなく、うちの海域には生息していないものと思われる。だが、大学で発行した「鹿児島湾の魚類」図鑑(ブログ2017 11.6)にはナベカが掲載されており、鹿児島湾からの記録はあるみたいである。今回は稚魚であるがうちの海域でのナベカ初確認であり、定置網での久し振りの初入網となる。卵もしくは稚魚が北の方から海流に乗って流れて来たと思われるので、ほかにも辿り着いていたら、今後海岸でナベカの成魚が見つかるかもしれない。今度は成長した個体と出会いたい。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミナミメダイ幼魚

2021年06月07日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると、お隣の定置網の方から「この魚要る?」と聞かれ、魚を見せてくる。魚をパッと見た時は今定置網に入網するヒメヒイラギかと思ったが、少々サイズが大きく吻端が尖っていないので直ぐに別種とわかる。標本用に頂く。見た感じでは体型から以前にも標本用に頂いた事があるミナミメダイ(ブログ2009 11.9)によく似ている。だが、この個体には体側に斑紋があるが、ミナミメダイには斑紋が無い。家に帰り検索図鑑で調べるがわからない。近似種のエボシダイ科の魚は幼魚の時には斑紋があり、成長に伴いその斑紋が消えるので、この個体も幼魚であるので斑紋が現れているのかと察する。そこでネットでミナミメダイを調べると、鹿児島湾の定置網での混獲で得られたミナミメダイの幼魚が報告されていた。その標本には体側に同じような斑紋があり、論文と照らし合わせるとこの個体もミナミメダイとなる。ただ、頭部背面の有鱗域の先端が眼の後縁に達するのか、前縁近くまで達しているのかがわからない。だが、前縁近くまで達するとオオメメダイとなるが、オオメメダイは画像検索すると幼魚の頃から眼が大きい感じなので、やはりこの個体はミナミメダイであると思われる。ミナミメダイは体表が非常に弱く、以前頂いた個体も鱗はなくズル剥け状態であった。今回の個体も状態は良くないが、斑紋も確認出来、標本用としてはセーフである。だが、これを魚ボラの標本用に冷凍保存するが、大学で解凍した時がどのような状態だか心配である。でも、学生達は凄腕なのでうまくやってくれるであろう。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セトウシノシタ

2021年06月03日 | 定置網
 今日は定置網漁で縞模様のあるササウシノシタ科の魚を発見。シマウシノシタかと思い、尾鰭を見ると背鰭・臀鰭とは連続していなく、セトウシノシタである。シマウシノシタは15年程前までは定置網漁で毎年数個体は確認していた。だが急に数が減り、魚ボラが始まった当初に1個体だけ標本登録しているが、それからは見ていない。水槽に標本を入れて撮影するようになってからは一度も手にできず、自分用に標本写真を撮っていないので探していた。だが、今回はシマウシノシタではなく残念である。セトウシノシタならそのまま魚ボラの標本用に冷凍保存しようと考えていた。だが、帰宅して今まで撮影したセトウシノシタの写真を見ると標本写真が無いではないか。撮影済みと思っていたが、それはツノウシノシタであった(ブログ2010 3.18)。と言う事でセトウシノシタの標本写真を撮影する。このササウシノシタ科の縞模様のある種は珍しい感じがしないのだが、ここでは意外と今まで獲れていないのかと痛感する。昔シマウシノシタが獲れていた時の印象が強いからかもしれない。毎年確認魚種が増えて行く一方で、減ったり消えてしまう魚種もいる事を忘れてはならない。



背鰭・臀鰭と尾鰭は連続しない




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リベンジ、トウザヨリ幼魚

2021年06月02日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと顎の長い幼魚が水面を泳いでいる。ダツ類の幼魚にも見えるが、タモ網で掬い採ってみる。魚を見るとダツ類ではなく、トウザヨリの幼魚である。トウザヨリは成魚が夏によく入網するが、幼魚はあまり見掛けない。今回の個体は魚ボラの標本用に確保するが、もうひとつ目的がある。以前にトウザヨリの幼魚はブログでも紹介している(ブログ2009 6.13)が、その時撮影した標本写真は納得のいくものではなかった。トウザヨリの幼魚は毎年入網はしているものの、その事を忘れていたのかその後標本を確保し撮影することは無かった。近年、何かの事で写真を確認する事があり、トウザヨリ幼魚の写真を見ると、その時の写真しかなく撮影していないことに気付き探していた。これでようやく撮影でき、前回の写真よりは納得のいくものとなり、標本写真を更新することが出来た。ほかの魚種の写真も今一度確認して見る必要があるかもしれない。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アジアコショウダイ確保

2021年06月02日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ後、市場内を散策。するとアジアコショウダイが水揚げされている。アジアコショウダイはうちの定置網では今までに獲れた事が無く、市場にも滅多に揚がらないのだが、毎年確認はしているので珍しい魚ではない。だが、今までに若魚は頂いた事があり(ブログ2012 5.14)魚ボラの標本用に確保しているが、成魚はサイズが大きかったりタイミングが悪くまだ確保していない。今回水揚げされていた個体は標本用には手頃なサイズなうえ、今はコロナ禍で魚価が驚くほど安い。このサイズなら家の冷凍庫に入りそうなので魚ボラの標本用に確保する。以前にブログでアジアコショウダイを紹介(ブログ2009 6.8)しているが、その時確保するのがいつになるかわからないと書いているが、実に12年も掛った事になる。毎年市場でアジアコショウダイを見てはいるのだが、確保するのにこれだけ時間が掛かるとは当時は思いもしなかっただろう。手頃なサイズなので自分用にも標本写真を撮りたかったのだが、家の水槽には入らなかったので撮影は諦める。コロナ禍で魚価が低迷しているので、この個体は1000円あれば足りるだろうと思っていたが、入札後値段を聞くと130円と思いもよらぬ激安値であった。買う立場としては嬉しいのだが、やはり漁師の立場としてこの激安値は大変ショックである。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする