お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

シッポウフグ搬出

2021年04月13日 | 水族館
 年々数が減って来ているシッポウフグであるが、先月の終わりから立て続けに姿を見せ、活魚として5個体確保する。うち1個体は胸鰭がスレており状態が良くないが、4個体は見た目にも綺麗な状態で泳いでいる。と言う事で、しものせき水族館海響館に連絡する。すると欲しいという事で今日引き取りに来る。だが、昨日更に1個体死んでおり、その個体は胸鰭がスレていた個体ではないので、これで3個体となってしまう。小さなフグ3個体ではあるが、4トン活魚車の新車で遠く下関から来るという事で恐縮してしまう。大きな活魚車で来るので何かほかに積んで帰る魚がいないか今朝の定置網漁で探そうと思っていたのだが、生憎時化で出漁出来ず。結局小さなフグ3個体を4トンの活魚車で運ぶことになる。水族館が到着し、活魚車にシッポウフグを積み込む。気を使ってくれたのか、海水も下関から積んで来たそうで益々恐縮。せめて来る時くらいは空にして少しでも軽い状態で走って来てくれれば良かったのだが。職員の方に聞くと朝3時に出発して来たという事で片道6時間掛ったそうである。滞在時間30分程で再び下関へ6時間。シッポウフグ3個体に対して往復12時間以上も掛けるので、それなりの成果があって欲しい。


シッポウフグ



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寄生虫付きのニザダイ搬出

2020年05月27日 | 水族館
 年明けだったか定かではないが、かごしま水族館から寄生虫が付いている魚の依頼を受けていた。「海の生きものの共生寄生展」という特別企画展で飼育展示するそうで、そのような魚を探していた。ところが4月に入り、新型コロナウイルス緊急事態宣言が発令され、鹿児島市でも初めて感染が確認されたことに伴って、4月11日から5月の連休後までかごしま水族館も臨時休館となってしまう。休館となると依頼の寄生虫付きの魚だけでなく、毎年5月の連休前にはイカなどの依頼も来るのだが、その全てが無くなり完全に自粛ムードとなってしまう。そして、ようやく5月18日より開館となる。だが、この企画展は最初に聞いた話では既に終了。ところがこの開館のニュースをテレビで見た時に、休館していたことによりこの企画展の開催期間が延長されていた。そして先日の定置網漁で遂に頭部に寄生虫が付いたニザダイを発見し確保する。水族館に連絡するとまだ欲しいという事で、本日引取りに来られ、搬出となる。

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バショウカジキの展示を目指して

2018年09月20日 | 水族館
 今年も今月の初めから東京の葛西臨海水族園が飼育展示用のバショウカジキの若魚の収集に来ている。来て直ぐに台風の襲来があり、定置網は網を陸揚げして出漁できず、波乱の幕開けであった。今年は例年になくバショウカジキの幼魚すら定置網への入網が見られない状況の中での採集開始であった。その後も定置網船に乗船するもバショウカジキの入網はない状況。そして3日前にようやく若魚の入網があり2個体採集し1個体はその日のうちに落ちたものの、1個体は状態良く水槽内を泳いでいる。そして今日が最終日。だが、順調だった1個体も今朝斃死した模様。結局今年も水族園へと運ぶことが出来ずに終わってしまう。バショウカジキは元々海が綺麗に澄んだ潮の時でないと定置網には入網しない。今年は台風に邪魔された感があり、台風後は長いこと海は濁りっぱなしで、私も素潜りにも行けない状況であった。結局バショウカジキの若魚が定置網に入網したのは僅か1日だけであった。その少ないワンチャンスで1個体でも綺麗な状態で採集し畜養できたのは成果であったが、あと1日もってくれればと悔やまれる。飼育・採集技術だけでなく、天候や運も味方にしないと難しいバショウカジキの飼育展示への道。また来年に期待したい。



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懐かしい水族館搬出

2018年05月27日 | 水族館
 東京の葛西臨海水族園よりアカシュモクザメの依頼があり、ゴールデンウィーク明けから定置網に入網した個体を確保していた。今日は集めたアカシュモクザメを水族園へと搬出する。この搬出作業をうちの定置網従業員で手伝う。今回サメを各定置網から集めたのが、私が葛西臨海水族園でアルバイトをしていた時の上司とアルバイト仲間であり、更にサメを水族園まで運ぶ活魚車の運転手もアルバイト仲間である。うちの従業員以外は昔の水族園の仲間であり、搬出作業をしていると昔を思い出し、とても懐かしい。今回ばかりはサメがどうのこうのではなく、唯々懐かしさに酔いしれる。






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バショウカジキの展示を目指して 3

2017年09月19日 | 水族館
 台風18号も通過し、今日から再び葛西臨海水族園のバショウカジキ収集が再開。まだ漁協定置網が台風で網を揚げたままの為漁ができず、今日まで水族館職員3名がうちの定置網漁に同行する。今日は更に水族館職員に密着取材という事でNHKの番組「プロフェッショナル」の取材スタッフも一緒に乗船。人数的に賑やかな漁模様となる。定置網漁の操業を始めるが台風の影響で海の濁りは激しい。バショウカジキは通常海が透き通るような綺麗な潮が入って来た時によく入網する。案の定、定置網を起こすがバショウカジキの姿は確認できず。バショウカジキ以外にも必要な魚種がいるのでサメ、イトヒキアジなどを収集して今回は終了。漁協定置網が本日網を入れるので、明日から水族館スタッフはそちらに乗船するので、あとは幸運を祈るだけである。



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バショウカジキの展示を目指して2

2017年09月13日 | 水族館
 葛西臨海水族園がバショウカジキの若魚収集をしている最中、台風18号が接近中である。そこで今日は水族館が乗船していた漁協の定置網が、台風に備え網を揚げるという事で乗船できず、うちの船に乗る事になる。沖へ行き、定置網漁を操業するとバショウカジキの若魚が泳いでいるのが確認できる。水族館の職員が採集の準備をして専用のタモ網を構える。目の前に泳いで来るものの、魚がタモ網を認識しているのかなかなか簡単には掬うことが出来ない。時間が掛かると魚が網に当たったり、他の魚に揉まれてしまうので、已むを得ず強引に追い込み、掬い上げ1個体採集。直ぐにデッキに構えたタンクに入れる。すると泳いでいるのだが特徴の長い吻が折れてしまっている。その後、漁を終え帰港し、市場内に設置した円形水槽に移し入れる。結局市場内の水槽に入れる事は出来たものの斃死してしまう。なかなか一筋縄にはいかない模様である。


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バショウカジキの展示を目指して

2017年09月09日 | 水族館
 私が鹿児島へ来る前に東京の葛西臨海水族園で飼育のアルバイトをしていた。その葛西臨水がバショウカジキの若魚収集の為に我が漁協に来ている。もうだいぶ前にもバショウカジキの飼育展示の為収集に来たのだが、その時は幼魚を採集し搬出したのだが展示にまでは至らなかった。幼魚は非常に弱いうえ水槽の壁に直ぐに衝突してしまう。そこである程度成長すれば体力もあり水槽の壁も認識するのではという事で、今度は成長した若魚を収集し飼育展示を目指す。漁協に円形の水槽を構え、漁協の定置網に水族館職員が乗船し収集を行っている。今日はうちの定置網でバショウカジキの若魚が数個体入網。何も準備はしていないが一応採集し、活かした状態で持ち帰る。港に着くと漁協の定置網はまだ帰港してなく、水族館職員も不在。それでも急いで水族館が構えた円形水槽に入れる。3個体入れるが2個体は直ぐに水槽の底で横になってしまう。残る1個体は泳いでは入るが壁に吻を擦りながら泳ぐ感じである。水族館では非常に柔らかい生地を使ったタモ網で掬うのだが、うちの船にはそのようなタモ網は無く、普通のタモ網で掬ったので体表がスレて弱ってしまったと思われる。バショウカジキもマグロと同様に体表は非常に弱く、扱いは非常に難しい。その後、漁協定置網が帰港し、後は水族館職員に任せる。結局泳いでいた個体もその後斃死してしまう。やはりそう簡単にはうまくいかないのである。


円形水槽に入れたバショウカジキの若魚





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フグ類搬出

2015年06月15日 | 水族館
 今日はしものせき水族館海響館の職員が定置網漁に乗船。以前から注文頂いていたフグ類を受け取りに来る。前日から来て定置網漁に乗船するも、この日の収穫は無い。注文頂いていたナミダフグのほかカイユウセンニンフグ、ハリセンボン等を船に生かしていたので、それらを搬出。今回は斃死魚はなく全て渡すことができる。

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サメタッチ

2014年07月14日 | 水族館
かごしま水族館では毎年夏休みにサメのタッチコーナーを設営する。子供達に生きたサメ、エイ類を触る体験をしてもらう企画である。今年もシロザメ、ネコザメなど歯が尖っていないサメの依頼を受ける。だが、最近はシロザメに良く似たエイラクブカしか獲れていない。水族館の職員の話によるとサメタッチと唱っているにも関わらずまだエイ類しか集まっていないとの事。そんな中、運良く依頼通りのシロザメが獲れ確保する。連絡して受け取りに来てもらう。一緒にツバクロエイも獲れたので確保したが、エイ類は集まっているという事で標本用に変更。以前はメガネツバクロと呼ばれていた時期もあったが、今ではツバクロエイである。


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同じ過ち、さらなる過ち

2014年07月01日 | 水族館
 しものせき水族館からナミダフグ、他のフグ類の収集を継続中である。そんな中、またナミダフグが1個体獲れ蓄養中である。それが受け取りに来る数日前に死んでしまう。連絡をしたが他にカイユウセンニンフグも4個体確保中なので受け取りに来るとの事。そして今日が受け取りの日。朝、真っ先にカイユウセンニンフグの状態を見ると4個体中2個体が死んでいる。急いで水族館の方に連絡する。それでも受け取りに来るとの事である。以前もナミダフグを搬出計画後に死なせてしまったが、今回も同じ事をしてしまい、更には搬出当日にも2個体も死なせてしまい申し訳なく思う。これも生き物相手なので仕方無いのかもしれないが、忙しい水族館職員が遠い所から時間を掛けて自ら車を運転してくるのだから仕方無いでは済まされないのかもしれない。せめてもと思い水族館が到着する前にたくさん欲しいと言われていたハリセンボンを港内で採集する。








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遠い所から

2014年05月16日 | 水族館



 以前からしものせき水族館からナミダフグなどフグ類を頼まれている。そして目的のナミダフグが1個体獲れ連絡すると1週間後に受け取りに来るとの事であった。ただ1個体だけではと言う事でハリセンボンなども頼まれる。すると受け取りに来る数日前にナミダフグが死んでしまい急いで連絡。受け取りは中止だろうと思っていたらハリセンボンだけでも取りに来るとの事。そして今日受け取りに来て、ハリセンボン、イシガキフグを搬出する。下関からここまで車で5時間掛るらしい。目的の魚が死んでしまい誠に申し訳なく思う。
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少しなんだけど

2014年03月08日 | 水族館

 継続的に水族館よりフグ類の収集を頼まれている。まだ海水温が低くあまり望めない時期であり、やっとナミダフグが3個体集まったくらいである。そのような状況ではあるが、今日は仕事が終了後にしものせき水族館「海響館」がそのナミダフグ3個体だけを受け取りに遠くは下関から来てくれる。小さなナミダフグのうえ個体数が少ないのに活魚車で来るのではとヒヤヒヤしていたがワゴン車だったのでホッとする。それでもこれだけの為に片道5時間掛けて来てくれるのでなんだか気が引けてしまう。ナミダフグを積み込んだ後、ハリセンボンも欲しいという事で港内で探し、なんとか数個体採集する事ができ、少しは個体数も増え良かった。今後も継続でフグ類の収集となるがナミダフグはこれからが本番である。少しでも個体数を多く収集し、水族館に貢献できればと思う。
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フグ搬出

2014年02月04日 | 水族館



 最近は海水温が低く定置網でも魚種は少なく面白い魚が獲れないでいる。そのような状況ではあるが、しものせき水族館「海響館」からは継続的にフグ類の注文を受けている。そのしものせき水族館がフグの採集で奄美に行っており、その帰りに鹿児島を通るので何か獲れていれば寄りたいとの事であった。本船の活け間には定置網で獲れたサザナミフグにホシフグが入っていたが、最近の低海水温の影響か元気はない。そして今日、海上は大時化で仕事は休み。水族館は奄美からフェリーで来る予定だったので時化で欠航かと思ったが、連絡するともうすぐ鹿児島港に入港との事。本船までフグ類2種を取りに行き、受け渡しの準備をする。そして水族館が到着。ついでに寄ると言っても鹿児島港からは1時間以上は掛かり、往復3時間。少しのフグの為に申し訳なく思う。
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フグ搬出

2013年10月28日 | 水族館

 台風27号の影響で今日は4日振りに定置網漁に出漁する。台風明けでしかも4日振りという事で漁獲量が多い。だが、今日は遠くは山口からしものせき水族館「海響館」がフグ類を受け取りに来る日である。水族館は予定通り到着するも、こちらは水揚げ作業中。結局1時間待たせてしまう。そしてフグ類を搬出。今回は搬出する個体数が少ないものの、遠くから活魚車で来てくれる。現在イケスが使えず、注文のフグ類は本船の魚槽内で畜養していた。だが、台風の為本船を避難港へ移動させていた。その港はすぐ横に川があり、台風となると泥を含んだ濁流が入るので心配していた。だが、フグ類は皆無事であり、安心する。今回はナミダフグにテングハコフグ、サザナミフグにカイユウセンニンフグなどを搬出。一番の希望だったナミダフグも2個体無事で良かった。でも研究するには個体数がまだまだ必要なので今後も探し続ける。
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ネンブツダイ再び下関へ

2013年06月03日 | 水族館



 しものせき水族館からフグ類を頼まれていた。今日はそのフグ類を受け取りに来るとの事。そのついでにネンブツダイも頼まれる。前回出したネンブツダイがかなり死んでしまったようである。だが、最近はネンブツダイもあまり獲れなくなっている。ところが今朝、定置網漁をするとネンブツダイがたくさん入っている。活かせるだけ活かして帰港。水族館側もフグ類を数個体だけの搬出であったが、活魚車で来てくれたので活かしてきたネンブツダイを全て積み込む。そのほか一緒に獲れた魚なども積み、結局活魚車満車状態となる。遠くからわざわざ活魚車で来てくれたので満車状態で送り出せて良かった。
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