お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

予定外の夜間採集でセンカエルウオ

2018年11月27日 | 採集
 今日は火曜日であるが、明日は網元の都合で仕事は休み。という事で夜間採集へ行く。今回は以前にスジギンポとセンカエルウオを採集したことのある場所へ遠征。潮が下げ、港のスロープにある窪みがタイドプールのようになっており、その中に隠れているカエルウオの仲間を採集する。カエルウオ類なのでライトを照らすと窪みからいジャンプして飛び出し、逃げていく個体もいるので慎重に行う。前回、採集したカエルウオの仲間は現場では全て同じ種に見えたが、採集終了後に外灯の下でよく観察すると、数種いることがわかったので、今回もとりあえずひと通り採集して、終了後に外灯の下の明るい場所で採集した魚を確認する。するとスジギンポはいなかったが、センカエルウオが2個体混ざっていた。必要な分だけ確保し、あとは再放流し終了。帰りに数日前に採集したツムギハゼが気になり、2度あることは3度あるかなと一応、いつもの港にも寄る。すると、ほんの数日前に採集したばかりだからか、今回姿は確認できず。しかし、この港ではまだ採集したことのないヒメテングハギの幼魚を採集することができた。




センカエルウオ




ヒメテングハギ幼魚
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奇跡? 同じ場所でまたツムギハゼ

2018年11月24日 | 採集
 今日は昼間に大学へ標本を持って行ったのでもういいかなとも思ったが、やはり夜間採集へといつもの港へ行く。いつものように散策すると、今月の初めにツムギハゼを採集した同じ場所で、同じようによく似るハゼの姿がある。タモ網で掬ってみるとまたツムギハゼである。今月初採集したばかりのツムギハゼがまた採れて驚く。しかも同じ場所である。前回は2個体採集したのでもう1個体いないかと周囲に目を凝らすとまた発見。掬うとツムギハゼである。今回も同じ場所で同じように2個体採集できてしまい、サイズも同じで前回の再現となり更に驚く。前回は背鰭の感じから雌雄のペアであったが、今回も背鰭を見ると同じく雌雄と思われる。こうして立て続けにツムギハゼを採集したことに驚くと同時に疑問も。前回は稀に採集できたのだろうと思っていたが、既に定着しているのだろうか。更に2回続けて雌雄ペアを同じ場所で採集したという事はツムギハゼは普段は雌雄ペアで行動しているのか、それとも産卵時期なのだろうか。今回はこの奇跡とも思える状況に興奮し、眠気も吹っ飛んでしまう。


ツムギハゼ



ここでは珍しいブダイ幼魚



久し振りにカエルアンコウも採集



この港では初採集のクモギンポ



今日の成果

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初確保 コガネマルコバン

2018年11月24日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ中、大きなマルコバンが揚がっているのを発見。ここの市場ではマルコバンはたまに揚がるものの、ずば抜けて大きなサイズであり驚く。このサイズからマルコバンというよりも海外産ではないかと疑い、魚ボラの先生に連絡する。土曜日なので電話が繋がるか心配であったが運よく直ぐに繋がり、状況を説明。するとサイズ的には普通のマルコバンも大きくなるそうだが、標本を確保するように言われる。漁協の職員に交渉し何とか確保する。仕事終了後、急いで大学へ走る。今日は車の六か月点検を予約しており、夕方には帰って来なければならず、時間的にはギリギリである。大学に着き先生に魚を見てもらうとコガネマルコバンと同定される。コガネマルコバンは先生が学生の頃、宮崎で得られた標本を元に日本初記録種として報告した魚である。その後、国内では写真や目視などでは確認されているらしいが、標本に基づく報告はない。ただ、海外産によく似る種がいるらしく、その違いはレントゲンで頭部の骨格を調べないとわからないとの事である。そうこうしているうちに時間は過ぎ、あとは学生に任せ地元に戻り車の点検へと向かう。

*後日、精査され、国内未記録種Trachinotus anak Ogilby, 1909と同定され、2019年7月に日本初記録種ヨコヅナマルコバン(新称)と提唱されました。






コガネマルコバン


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トラカマス

2018年11月23日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、水揚げ後市場内を散策。すると、トラカマスが1個体水揚げされている。トラカマスとは2か月前に鹿児島・宮崎県沿岸から得られた標本を基に日本初記録種として報告されたばかりの新顔の魚である。だが、ここでは以前から水揚げされており、ここで撮った古い写真のデータを見ると14年も前である。このカマスには鰓に鰓耙がなかったので当時はオニカマスと思っていたが、オニカマスの特徴でもある尾鰭後縁の形状が違い、同じく鰓耙がないオオカマスなのだろうかと迷ってもいた。ところが数年前から別種であるという話を聞き、ようやく日本初記録種として報告され、標準和名トラカマスと呼べるようになった。ここ数年急激に定置網や市場で見る機会が増えている。ただ、ここで見られるトラカマスは尾鰭が一様に黄色い個体と上葉よりも下葉の方が黄色みが強い個体といて、ちょっとそれが気になる感じである。


トラカマス
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魚ボラ講演会に初採集イッテンフエダイ

2018年11月12日 | 魚ボラ
 数日前に魚ボラの先生から講演があるとメールを頂いた。今日はその講演の日。一昨日の夜間採集で得た標本もあるので仕事終了後、少し早めに大学へ向かう。大学に到着後、夜間採集の標本を登録。すると、体側に黒斑のあるフエダイ科の幼魚はイッテンフエダイと同定される。イッテンフエダイは今までにまだ見た事が無く、よく似るクロホシフエダイの中に紛れていないか探していた魚である。今回の標本がイッテンフエダイとは思いもよらず、サラサハゼと共によい収穫となる。今回の講演は現在台湾国立海洋生物博物館のDr. Hsuan-Ching Ho氏が標本調査のため鹿児島大学総合研究博物館に数日滞在していて、「台湾の魚類分類学史」についての内容。台湾の先生という事でやはり今回もいつものように英語での講演会。講演を聞いている魚ボラの留学生は時より笑い、面白い内容だったと思われるが、自分は写真だけを楽しむ。




イッテンフエダイ幼魚






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夜間採集 遠征で初採集サラサハゼ

2018年11月10日 | 採集
 今日は土曜日という事で恒例の夜間採集へ行く。現場に着き採集するがクサフグやオヤビッチャの幼魚など、いつものメンバーばかりである。実は明日は何も予定が無いので今晩は徹夜覚悟で採集しようと初めから考えていた。更にいつもの港だけではなく、外海に面している港をいくつか廻ろうと計画を立てていた。という事でいつもの港は直ぐに撤収し、車を走らせる。ところが一番期待していた港に着くと、深夜でも土曜日という事で釣り人に占領されており、採集はできずちょっとショック。気持ちを切り替え直ぐに別の港へ急ぐ。だが、今日は大潮で更に丁度干潮時間という事で潮は極端に下げており、岸壁からでは高さがあり、タモ網がギリギリ届くくらいである。このような状態では欲しい魚を見つけてもタモ網が届かず悔しい思いをしそうなので、逆に港ではなく浜に降りて採集をする。すると転石の下から小さなハゼ類が顔を出しており、それらを採集。すると大きなハゼを発見し、大きなドロメだろうかと思い採集する。見るとドロメではなく、体型はサラサハゼ。だが、自分の知るサラサハゼはこのように鮮やかな体色ではなかったと思い、現場では種はわからなく持ち帰る。今回はハゼ類のほかに体側に黒斑のあるフエダイの仲間の幼魚も採集。家に帰ると既に4時を回り、平日ならもう少しで起きる時間である。採集したハゼを調べるとやはりサラサハゼである。サラサハゼがこんなに綺麗な魚であるとは自分がよく知らなかっただけである。サラサハゼは初採集。一応、全て生きているので後の事は起きてから考えることにして、とりあえず就寝。





*後日、魚ボラでイッテンフエダイと同定されました。






サラサハゼ
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謎なウミヒゴイ属

2018年11月05日 | 市場
 今日は水揚げを終えてから市場内を散策するとウミヒゴイ属の魚が目に付く。顎鬚は白く、尾柄部に黒斑もないのでミナベヒメジだろうかと思う。だが、ミナベヒメジは吻端から尾柄にかけて3本の褐色縦帯があるが、それが確認できない。また、体色も体側の中央から背にかけては赤く、腹部の方はピンク色である。結局、ハッキリと種を特定できない。標本用に確保し、調べてもらいたいが、既にこの個体の入札は終わっており確保はできず、もやもやした状態で終了。ウミヒゴイ属の魚は漁獲後の締め方や氷の効き方などで体色は様々に変化する。この個体もそのような事を考慮するとミナベヒメジになるのだろうと自分で勝手に納得させる事にする。
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えっ! 初採集 ツムギハゼ

2018年11月03日 | 採集
 今日はいつものように夜間採集へ港に行く。風が無く海の中もよく見えるのだが、潮が下げていて期待薄の状態。浅い場所では底まで見えている。そんな中、壁際にハゼがいるのが確認できる。クモハゼだろうと思い、タモ網で掬ってみる。するとクモハゼではなく今までに採集したことのないハゼだと直ぐにわかり、更に見覚えのあるハゼでもある。フグ毒を持つことで有名なツムギハゼのように見えるが、ハゼは種が多いうえ、ここはツムギハゼの生息域ではないので別種だろうと思う。その後、また同じような形で同じハゼを採集。2個体も採れれば更に別種を疑う。家に帰り調べると驚くことに、やはりツムギハゼである。ツムギハゼはフグ毒を持つことで有名で昔から知っていたが、沖縄や南の島に生息しているイメージで、出会う事はないと思っていた。しかも今回、2個体も採れ、更に驚いてしまう。まだ生きているので標本写真は撮らずに一応、活かした状態で大学へ持ち込むか検討する。






ツムギハゼ



ニセクロホシフエダイ幼魚
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初確保 コハクヒメジ

2018年11月03日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ後、沖へ行き作業。作業を終え帰港すると市場は既に入札が終わり、魚も運ばれあまり残っていない。そんな中、定置網で漁獲された沢山の雑魚がはいった入れ物が残っていて、覗くとヒメジの仲間が頭部のみ見えている。顔つきからミナミヒメジのように見える。ミナミヒメジはよく獲れるのだが大きな個体ばかりであり、この小さなサイズは珍しく標本用に残そうと考える。という事で取り上げると他の魚で隠れていた胴体と尾鰭が見えて驚く。ミナミヒメジは尾鰭によく目立つ数本の暗色帯があるのだが、この個体にはまったく暗色帯が確認できない。まだ未確保で探しているヒメジ属にも尾鰭には暗色帯があったはずなので、更に別種となるのでワクワクしながら帰宅。調べるとコハクヒメジである。調べると国内での分布域は長崎・沖縄となっている。鹿大に登録されている標本を調べると、国内では種子島で採集された標本が1個体登録されていた。この時点で県初記録はなくなる。更にネットで調べると宮崎でも見つかっており、これで本土初記録もなくなり、一応は県本土初記録という事になる。コハクヒメジは珍しい魚であることは間違いないのだが、ちょっと拍子抜けとなる。

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キンセンフエダイ

2018年11月01日 | 定置網
 今日は定置網漁で久し振りにキンセンフエダイが獲れる。キンセンフエダイは今までに数個体しか獲れず、ここでは一応珍しい魚である。今回の個体は若干今までの個体に比べると体色が赤み掛かっている。確かキンセンフエダイによく似た珍しい種がいた事を思い出し、持ち帰り検索する。すると残念ながらよく似た珍しいイモトフエダイではない。せめて、もう少し体色に赤みと縦帯に黒みを増して、まだ未確保のタテフエダイとならないかとも思うが、残念ながらキンセンフエダイとなる。
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