お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

珍種??エソダマシ

2011年11月29日 | 日記

 今日は水揚げも終え、倉庫に戻ろうと車に乗ると遠くから声をかけられる。数日前にクモウツボを提供してくださった漁師さんである。何やらまた珍しい魚が獲れたようである。メダイやムツなどの深海釣りをしていて釣れたらしい。ヒメみたいだけど体色が違い何より大きいらしい。魚を見にその方の船まで行くと、とても丁寧に梱包され確保されていた。その方にとっては雑魚である魚を忙しいところ丁寧に扱ってもらい、感謝感激である。本当にありがたい。その魚を見ると形はヒメに似ているが体色が黒ずみとにかく大きい。持ち帰り調べると直ぐにエソダマシとわかる。ところがこの魚をネットで調べると情報は少ない。さらにその情報から日本には標本は1個体のみしか存在しないとなっている。この情報がいつのものか、またどれだけ信用できるものなのかわからないが、とりあえず魚ボラの先生に連絡する。すると先生は屋久島にいて調べられない状況のようである。とりあえずは直ぐにでも大学へ持ち込みたいところではあるが、今日は自分も忙しく行くことができない。結局は宅配便で大学へ送ることになる。今年は面白い魚に出会うことが少なくつまらない年だなと思っていたが、ここに来て状況が一転してきた。今月はさらに2種珍しい魚が獲れているのだが、ブログへの掲載を控えるように魚ボラの先生から言われている。そのうち公開できるようになったらアップする予定。
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クモウツボ

2011年11月24日 | 日記

 今日は水揚げをしていると、いつも標本提供して下さる漁師さんが、また標本用に魚を持って来てくれる。見るとウツボであるが種まではわからない。持ち帰り図鑑で調べるとクモウツボのようである。クモウツボは定置網でも獲れたことはなく、標本用にも確保していないのでとてもありがたい。ウツボ類は素潜り採集時に体が小さく体色のきれいなものをよく見掛ける。だが、岩の間から顔を覗かせている場合が殆どなのでいつも採集できない状況である。おそらく何種かは見ているのだろうけどどうにもならない。やはりこのような場合は針と糸を海中に持ち込み、釣るしか方法はないかなと思っている。だが、未だに行動に出たことがない。ウツボ類だけではなく、巣穴にテッポウエビ類と共生するハゼ類も同じ方法がいいのかと思っている。いつかはと思うのだが、なかなか行動に出ることができない。
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新称 サクヤヒメジ

2011年11月23日 | 日記

 私の魚類への興味を生態から分類へと引きずり込んだ魚がいる。6年前に魚類学会年会でうちの定置網で採集されたヒメジ科魚類を日本初記録種として北海道大の研究者の方にポスター発表して頂いた。Upeneus.poriである。その後、論文が執筆され標準和名が提唱される予定であった。だが、その研究者の方が海外へ行ってしまった為、和名は幻となってしまう。その後、地元鹿児島大に魚類分類学の先生が着任され、自分もそこで魚類ボランティアを始める。その後もこの魚はたくさん獲れ、一応和名が無い魚なので全てを鹿大の標本用に確保してきた。現場でも和名が無く扱いに困っていた。そして、ようやく問題解決する日を迎えた。U.poriの分布域は紅海であり、日本とはかけ離れた場所に生息する。そちらのイスラエルの大学教授と今回共同研究を行い、ここで獲れる種は日本固有種とわかり、新種であることが証明されました。そして今日この新種の論文がニュージーランドの国際誌Zootaxaに掲載され、標準和名サクヤヒメジが提唱されました。さらに今回、新種ということで学名も新たに付けられ、その学名に私の名前を献名して頂きました。和名も地元の神話伝説に関係があり、学名・和名ともに先生に感謝致します。この魚を発見してから6年掛かりましたが、これでやっとこの魚を標準和名で呼ぶことができます。
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リベンジ

2011年11月14日 | 日記

 今日は水揚げを終え、網の修理をしていると知り合いの漁師さんがお昼に食べなと魚を持ってきてくれる。バケツの中を覗き込むとアカハタが入っている。このアカハタとても鮮やかで奇麗である。先月、自分が素潜り採集で捕ったアカハタは色が黒ずみ綺麗ではなかった。今度は真っ赤な個体を採集して綺麗な写真を撮りたいと思っていた。でも現実はアカハタの採集は難しく、いつになることかと諦めかけていた。それが誰にも頼んでもないのに目の前に綺麗なアカハタが。しかも頂けるとはなんとラッキーである。食べるなどとんでもなく、もちろん標本用・撮影用に確保する。持ち帰り撮影。前回は口も鰓も開いていて何とか頑張って最小限口を閉じたがそれでも撮影時には少し開いてしまった。今回の個体は最初から口も閉じていて、前回を思えばまさに至れり尽くせり状態である。こんなに早くリベンジできるとは思ってもみなかった。感謝感謝。
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ヨコシマクロダイ幼魚

2011年11月04日 | 採集

 今日は雨が降るので仕事が早く終わり、素潜り採集に行く。今回は前回来たときに荒れていて海に入れなかった所。雨で海の濁りを心配したが、この辺りは川が無いので透明度は抜群であり、遠くまで見渡せ気持ちが良い。海に入るや否や採集したかった魚を発見する。ヨコシマクロダイの幼魚である。この魚は以前から見つけてはいたが採集できないでいた魚である。まだ採集道具の準備すらしていなかったので急いでタモ網を準備する。するとちょっと目を離した隙に見失ってしまう。またしても逃げられたと諦め、別の魚を探そうと目を凝らすとヨコシマクロダイの幼魚が同じ場所でじっとしている事に気付く。微動だにせず周りの風景に同化していて気付かなかった。今度は目を離さず近づき無事に採集。初採集を喜ぶが、生かして持ち帰り氷水で〆ると体色が何だか採集した当時よりも薄い感じ。撮影しても体色の鮮やかさは消え、ちょっと納得がいかない写真となってしまった。これもまたリベンジか。
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ツノハタタテダイ幼魚

2011年11月04日 | 採集

 今日はもう一種。ツノハタタテダイの幼魚を採集する。この魚も今回初採集であるが、以前から見つけていたが採集できないでいた魚である。今までこの魚を見つけた時はいつも運が悪く、採集しにくい場所であったり、そうでないときは採集道具を持っていない時だったり、時には陸から岸壁を覗き込んだ時に見つけたりと、何度も確認はしているが採集するた為にアタックした事がない程。初アタックで採集したがやっとという思いである。ところがこの魚もタモ網から容器に移す時に手で触れた為か体側の鱗が若干剥げてしまっている。撮影するもこちらも納得のいかない写真となってしまう。この魚、実は幼魚よりも成魚の写真を撮ってみたいと日頃から思っている種である。和名のように成魚になると頭部に角が出てかっこ良く、好きな種。だが、幼魚は見るものの、成魚をこの海域で見たことが無い。やっぱり夢のままかな。
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