郷里の自慢の食はいろいろ沢山あるが、今回、興味があり訪問したのは、三国町新保にある古き伝統のお味噌やさん。
先に訪れた「あらいや~サマーオレンジ」で、必見のお店と紹介を受けて創業以来 味噌造り120年の『梅谷味噌』を訪ねた。
九頭竜川河口で三国町の対岸の新保地区で、管理者が勤務していた会社が建設した「テクノパーク」の直ぐ近くであった。
「カクウメこと梅谷味噌」は、創業120年の伝統あるお店とあって、お店に入るのに一瞬躊躇する風格を感じていた。
訪れてみれば、既に訪問が告げられていて、梅谷代表から直接招きいれてもらい、創業以来のご苦労などを伺った。
伝統ある創業者の代表は、ご年配の方かと想像していたが、何と若い青年技術者で、福井の大手企業を脱サラされたエンジニアだった。
初代の創業者は、北前船の廻船問屋を営まれ、船主のして活躍されたが、その後醤油味噌の醸造業へ転業されたのが起点だそうである。
その後、長年培って来られた越前味噌の味を守り、現代の味を生み出し、『カクウメ』の名声を築かれたそうである。
現在は、越前福井でしか味わえない独特の味『はまな味噌』の醸造元として、大変人気を得ているそうで、
管理者もつい最近知人から贈られてくるまで知らなかったのだ。
その「はまな味噌」の由来は、梅谷味噌の説明によれば、徳川家康が戦時食として浜名湖周辺で生まれた「浜なっとう」が、
その後、結城秀康が加工して越前に広めて、越前の気候と風土に合い、残ってい由緒ある味である。
大豆と麦こうじ、米こうじを熟成・発酵させたものに、茄子を加えたもので、工場も拝見したが、
春に仕込みを行い約3ヶ月を経てあの「独特の味」が生まれるそうだ。
はまな味噌は、調味料ではなく温かいご飯に乗せておかずとして食べるものが一番美味しく、まろやかな甘さが、
ご飯と微妙に合って口の中で広がり、食が止まらないのである。
さらに、新製品『パスタソースみそ』をお試しにと戴き、パスタ好きの我が家で早速試食させてもらったが、これがまた美味しい・・・
越前三国産の甘エビを丸ごと粉末にしているそうで、えびの旨みや香りが出ていて、ビックリのスパゲッテイとなった。
ミートソースやナポリタンに慣れている我々には、新しいスパゲッテイを発見した味覚であった。
子供の頃には、よく海水浴に出かけた三国海水浴場も対岸に見えて、しばし、懐かしい想い出とともに、お袋の味を連想した。