横浜メモリアルパークの日本丸が、今年4回目の全ての帆を広げる『総帆展帆』が開催されると聞き、駆けつけてきました。
今年は、日本丸が進水して(S5.1.27生)満80年の『傘寿』を迎え、横浜での公開25周年記念の催しでもあり、大変期待していた。
昨年の横浜開港博Y150では、姉妹船「海王丸」や新日本丸との揃い踏みで、大人気であったが、余りの多くの観客で近寄るのも難業したが、今回は人出も少なかったようだ。
今回は早めにパークに着いたので、ゲスト席について説明者の懇切丁寧な説明を聴きながら日本丸の歴史や船のありたち、展帆の手順などを目の前で見てきたが、これほど興味深く見れたのは、初めてであった。
展帆作業は、訓練を受けて登録されたボランテイアの皆さんの手で行われるが、現在約2000名の登録されており、この日は71名(内女性25名)の方が作業されたがいつもは約100名で行うそうである。
展帆作業は、全て手作業でキャップテンの号令一つで、手際よく行われていたが、マストに駆け上り展帆準備作業でも、元気な掛け声で桁の上を横滑りしながらの作業はお見事でした。
29枚の帆(セイル)の展帆作業は、全て一枚づつ甲板上から「ワッショイ ワッショイ」の掛け声で、98枚のロープを引きながら上げられるが、この日は風向きが船首から約5Mの風が吹いていたので、4本のマストのセイルの角度を調整しての展帆であった。
説明によると、帆船はヨットと同じく風には強いと考えていたが、正面から受ける風には最も弱いそうで、全てのセイルに角度を付けて、風を逃がすセイル、推進力を作るメイン・セイル、船を安定させるジガーセイルなどの機能があるそうだ。
特に、船首のバウスプリット(棒状突起)に広がる三角帆(ジブ・セイル)の役割には、大変興味があった。
日本丸の29枚すべての帆の展帆を終了して、キャップテンの号令での一斉の掛け声には、会場から大拍手が送られていた。
4本のマスト(フォアー・メイン・ミズン・ジガー)総帆展帆を終えた姿は、実に美しく「太平洋の白鳥」とも言われて由縁である。
展帆終了後は、船内の一般公開が行われ、隈なく順路を探索したが、80歳とは思えない内装が装備されており、びっくりであった。
既に、183万Km(地球45.5周回)を走破したとは思えない程、完璧で今でも航海に出れる能力は充分に備わっているそうです。
船外に出ると、記念の吹奏楽演奏会が日本丸をバックに行われており、大変な盛り上がりでした。
また、新装リニューアルされた『横浜みなと博物館』に入り、横浜港をテーマにした開港以来の横浜の歴史と暮らしの変遷が紹介されており、過っては横浜住民であった一人として、非常に興味あり、改めて横浜の日本経済発展における役割を再認識していた。