南天の実 クロガネモチの実
12月、寒さに向かって咲く花が・熟れる木の実が、時節到来とばかりにその色濃さを増してきた。真っ赤に熟れ行く木の実を、小鳥たちは、今や遅しと待ちわびているのだろう。
どこの家にも敷地にも鬼門というのがあるそうな。鬼門(きもん)とは、北東の方位をさす。陰陽道では、鬼が出入りするとして、万事に忌むべき方角としている。その方角に、厄除けとして南天の木が植えられることが多い。
何故南天の木なのか…? 南・・難を、天・・転じる…という単なる語呂合わせにも見える。
そこへ福寿草などを持ってきて「南(難)を天(転)じて福となす」という縁起物として古くから重宝されている。
一応我が家も、引っ越し直後にちっちゃな苗木を植えた。今では私より遙かに背が伸び、枝葉を広げ、魔除け厄除けとしての効果がありそうなほど逞しく成長している。その赤い実も見事に熟れて、冬の朝日に光彩を放つ。
南天の赤い実は咳止めの効能があり、木や葉っぱは毒消しの効能があるという。
そう言えば子どもの頃、隣から頂いた食べ物の器を返すとき、「何にもありませんが…」と言いながら、南天の葉っぱをつけていたのを思い出した。
毒消しの効能を信じて「お箸」の材料にすることはよく耳にする。
京都、金閣寺の床柱は南天の木なのだそうな。もしも京都詣での機会に恵まれたら、そんな目で金閣寺を眺めてみたい。
鬼門というのはどこにもある。このブログにも、方角に合わせて南天の木を植え、魔除け・厄除けにしたいこともある。
その前に、「あいつは、俺にとっての鬼門じゃ…」などと言われないように気をつけようっと。