昨日12月22日、冬至。
かつて、終戦を迎えた8月15日を「日本の一番長い日」と題した映画がヒットしたのをふと思い出した。
冬至の昨日は、一年中で夜が一番長い日であった。今日からはホンの少しずつ日が長くなっていく。これは嬉しくなる。ところが寒さは一段と厳しさを迎える。これはあまり有り難くない。
15個のユズを浮かべたお湯にゆったり身体を沈める。
つぶされないよう逃げまどうユズに鼻を近づける。ウーン!!
遠い昔の人の知恵に、今更ながら驚かされる。日本人にはこれほどに、素朴にして風流・簡素にして実益をもたらす、珠玉にも似た習慣がいくつもある。
そしてついつい思い出す。昨年の冬至は12月21日、母の四十九日法要を営んだ日であることを。
なんでふと思い出すのだろう。
冬至にはユズを浮かべたゆず湯につかると風邪を引かん…。冬至にカボチャを食べると元気に冬を越せる…。こんな迷信じみた教えを、おふくろから教わってきたからなのだろうか。
それとない日常の中で、あれこれ聞いた耳学問が、おふくろの声として気持ちの奥に息づいているからなのだろうか。
折に触れ、時に従って思い出すのはやはりおふくろの方が多い。その点オヤジは、早くに見送ったせいかもしれないが、滅多に出てこない。
しかし、二者択一・三者択一…など切羽詰まったときは「オヤジだったらどっちを選ぶんだろう…?」などと考える。
なんだかんだ言いながら、気持ちの奥底で、二人の存在をしっかり認め、上手に使い分けているのかな。どっちにしてもカボチャもうまかった。ゆず湯にも元気をもらった。