「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「秋の風」

2020年09月17日 | ニュース・世相

                   
                     秋の風に舞う木の葉

秋の話題で「秋の色」、「秋の音」とくれば次は「秋の風」となるのが相場であろう。ここでは秋の風について少しの思い入れを述べてみたい。
自称「頭の体操」・「ボケ防止の妙薬」として、12年近く続けてきた一つの活動に終止符が打たれた。
気持ちの中を無情な秋の風が吹き抜けるような、一抹の淋しさを感じさせる出来事ではある。『もの言えばくちびる寒し秋の風』

かつての文章仲間から声をかけられて始めた「中国新聞タウンリポーター」という仕事。
その名の通り、新聞社から与えられた名刺と名札を引っ提げて、身近なところで身近な活動をしているグループや、町おこしに汗する人、同好の士を集めた趣味の会などなど。いわゆる地味ではあるが仲間を集めて一生懸命知恵を絞り、団体活動を維持しようと頑張っている人たちや作品などを幅広く取り上げ、ローカル新聞の地方版に写真付き記事として掲載する。言ってみれば新聞記者の真似事のようなことをさせてもらった。その数400本超。

その1本1本に取材メモをつくり、あらかじめ、できる限りの活動内容を調査して現場に臨む。出来るだけその場に長くいて、人の動きや気遣いなどをそれとなく眺め、感覚だけは研ぎ澄ましてメモを取る。写真はたった1枚掲載するために多いときは30枚も撮っておく。その中から最も記事にマッチしたお気に入りを選び、支局へ送信する。内容の隅々まで一通りチェックをいれ、記事として表に現れない部分も把握しておく。そうして、支局長からの鋭い質問や、問いかけに答えられる十分なネタを仕入れておく。おもしろくやり甲斐のある作業ではある。

新聞に掲載されると間違いなく反応が寄せられる。取材先の代表の笑顔と「やってきてよかった!」という安堵感がこの胸に直に伝わる時、取材の苦労も、限られた字数で書き上げる記事の苦労など、全てが吹っ飛ぶ。この快感が忘れられなくて、我ながらよくやったと思う。

それがね、コロナ感染拡大が問題になり始めた今年2月半ばから「取材自粛」から「取材活動禁止令」が出されて9ケ月。ついにここにきて「タウンリポーター制度廃止」という新聞社からの手紙が届いた。一も二もなく「はいそれまでよ!」ついに一つが終わった。
秋風もまだ優しいこの季節の中で迎えた、得も言えぬ淋しい結末ではある。しかし、この12年近くで得たもの。それは計り知れないほど大きく、生涯の財産としてあの世まで持って行けると自負する。また何かにぶつかる幸運があるかも知れない。ないかもしれない。

コロナには負かされた。でも身体は蝕まれてはいない。また新たな「頭の体操」「ボケ防止の妙薬」を探してみるとしよう。

コメント (2)
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