公開中の映画「孤高のメス」原作者にして現在も医師を続ける著者が 自分の体験してきたことを織り込みながら 綴ったエッセイ集だが
読みながら やや複雑な気持ちにもなる
患者は医師を信じていたい
医師が信じられない存在になってはいけない
患者の医師への信頼は 信仰にも似ているのだ
医師が信じられなければ 不幸が溢れる
この医師は 私の病気を治せるのか
治そうという気持ちがあるのか
他の病院に押し付けて 責任逃れがしたいばかりではないのか
この医師は信じても大丈夫なのだろうか
患者の縋るような気持ちが 診る側の医師に本当に理解できるだろうか
患者の状態を 本当に知ろうという医師が どれだけ存在するのだろう
ただ症例としてのみーそれだけではー患者は救われないとも