ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

娘よ(23)

2013-11-21 23:18:47 | 生き方
ICUに逆戻りして2日目。
娘は、さかんにあくびをしてだるそうに寝ている。
他に、何もする気も起らないらしい。
額に手をやると、微熱を感じる。

倒れる前は、書くことに興味が向くようになっていた。
今、倒れた2日前などにノートに書いたものを見せると、
「カラフルだねえ。」
などと、他人行儀である。
「でも、こんなふうにノートに書いていたの、覚えてる?」
と尋ねると、首を縦に振る。

昨日の午前中、職場の休みをとってICUの病室を訪ねると、目の周囲にくまができている娘がいた。
看護師さんの話では、前日のけいれんは4回でおさまらず、午後10時頃にさらにもう1回起きたとのことであった。
また、ここの看護師さんたちに2か月半ぶりにお世話になることになってしまった。

けいれん止めのD剤は、5.0という高い濃度を示していた。
娘は、何度もトイレに行きたがった。
そこで、一度看護師さんに車椅子で連れて行ってもらったが、車椅子とベッドの行き帰りが非常に緩慢でふらふらしていた。
支えがないと移れなかった。
食事は、食欲もなく、けいれんの影響で、箸も満足に使えなかった。

今日も、だるそうで、眠そうであった。
ただし、D剤は、4.0に下がっていた。
話しかけ、来月は、誕生日だねえ、と娘に言うと、顔を面白おかしくゆがめ、目をぱっちりと開いて、
「三十路(みそじ)だ~。」
と言った。
「三十路、いやだ~。まだ結婚もしていない。」
などともつぶやいた。
意識がしっかりしない娘の、本音のように思えた。
まあ、仕方ないねえ。まずは、体を治して、元気になることが一番だね。
そう言うと、大きくうなずいた娘だった。

余計な口数もなく、あくびは多く、もう半年も同居している「ガチャピン」のぬいぐるみに顔をかくすようにして、娘は、目を閉じた。

やはりけいれんのダメージが大きいのだろう。
けいれんさえ起きなければ、待望の洗髪ができたのに、その直前に起こったけいれんで、洗えなかった髪がべたべたしていて、かわいそうだった。

まずは、ゆっくり体力を回復してほしい。
あそこまで回復したことがあったのだ。
また、そこまでいくのが大変かもしれないけど、娘も私たちも、逃げる訳にはいかない。
ゆっくり休んで、また回復を目指そうな。

今日は、午後に1時間弱の滞在であった。
また病院から職場に戻った私であったが、娘の今日の様子を見て、少しだけ安心したのだった。

コメント (2)
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