ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「如月の詩」(NSP)

2020-02-01 20:57:13 | うた
2月になった。

1月は睦月。
3月は弥生。
では、2月は?

2月は如月(きさらぎ)。
すんなり答えられる人は、案外多くないかも…?

2月を歌う曲というと、バレンタインデーがらみのものが圧倒的だ。
でも、それがらみを除くと、私にはこの時期の歌はほとんど思い浮かばない。
唯一思い浮かぶのは、1980年頃に出た、NSPの「如月の詩」ひとつだけだ。

この「如月の詩」は、「彩雲」というアルバムの最初の曲だった。

レコードに針を落とすと、30秒ほどなんだか寂しい感じのピアノのイントロが続く。
そして、天野滋の歌が始まる。

僕の詩が いつかしら色あせてしまう
人の心に とどかない
そんな時が 来ても
君は そばに いてね

NSPの歌にはめめしい歌も多いが、この歌はさらに弱気な歌だ。
歌を作る人の歌ということで、作者の天野の気持ちを表しているとも考えられる。
詩の中身を見ると、歌が売れなくなっても、愛する君は僕を見限らずにそばにしてほしい、という願望を伝えているように見える。
その頃、天野、NSPはそれなりに売れていたはずだ。
このアルバムには、「愛のナイフ」というそれなりのヒット曲も入っている。
それなのに、不安から愛する女性にすがっているように見える歌が、アルバムのスタート曲だ。
そして、歌は、サビに入り次のように続く。

もう進めなくなったら 振り返るだろう
ああ少しのやさしさで 迎えてほしい

わずか2分30秒ほどの実に短い歌だ。
未来に対する不安は誰でも抱くのだが、若者ゆえのそんな不安を包み込んでくれる愛を求めている。

そして、この歌には2番がなく、1分間ほどの歌でまたピアノの音でエンディングに入っていってしまう。

ただ、どうしてこの歌の曲名が「如月の詩」なのだろう?
と考える。
寒い冬真っ盛りのときだから、少しでもさびしい心をあたたかくしてほしい。
冬も生きていくことも、厳しさがある。
だからこそ、そんな自分を受け止めて一緒に生きていってほしい
そんなことを願って名付けられた歌なのかもしれない。

今回、ちょっと調べてみたら、ネット上にはライブで歌われたものも挙げられていた。
そこには、なんと2番も歌われているのを聴くことができた。

僕の夢は 君にさえ見えなくて困る
こんな小さなプライドをいたわるようにして
君は 少し 笑う
(サビは同じ)

2番を聞いても同様な気持ちがさらに強くなる。
未来に対する不安。
そして不安定な愛情。
でも、愛する人を信じて、今を生きていこう。

「如月の詩」
そんな思いが伝わってくる曲だった。
コメント (2)
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