
今が盛りのきれいな桜の花を見に行った時のこと。

桜堤の花を眺めていて、ふと川に目をやると…。
ん?
あれは、何?
川の中に、何か1つ立っているものがある。

目を凝らしてよく見てみると、なんとそれは、菜の花だった。

川の中でも、1本だけ凛として立ち、花を咲かせている。
こんなところに育ちたくて育ったのではないだろう。
こんなところで咲きたくて咲いたのではないだろう。
どうして、こんな川の中で育ち咲くはめになったのだろう?
まさしく、「ど根性菜の花」だ。
しかし、それ以上に、置かれた境遇に負けずに育ち、こうして花を咲かせていることに驚く。
まだ水は冷たいだろうなあ。
それなのに、そんな悪条件の中で、たった1つだけ芽を出し、茎を伸ばし、葉を広げて、花を咲かせているなんて、すごい!
この過酷な条件の中でも耐える力を、今の人間界にもほしい。
新型コロナウイルス感染症に負けず、今はじっと耐え、この菜の花のように凛として立つ強さをもっていたい。