新発田城は、日本百名城の1つとされる。
春は、桜の名所にもなっている。
↑これは、新発田城の三階櫓。
十数年前まですぐ近くに県立病院があり、当時入院中の母が、「看護師さんが車椅子を押して、桜の花見に行かせてもらった」と、満足そうに言ったことを覚えている。
その当時の母について、余命半年の宣告を受けていた私はそれを聞いて、「これが母の最後の花見になるのかもしれない」と思えて、心の中で泣いたのを思い出す。
散歩して、健康維持に努めるために歩く。
それを目的として、桜咲く新発田城公園を歩いてまわった。
「アイネス」の駐車場から歩いていくと、真っ先に出合う隅櫓(旧二の丸隅櫓)。
桜に包まれている逆さの櫓が、堀に映っていていいなあと思った。
辰巳櫓のそばの桜も満開。
隅櫓と並んで国の重要文化財に指定されている表門
につながる橋から見た隅櫓も、いい感じ。
ただ、さすがに城内や周辺を歩いている人は少なかった。
観光客らしい人は見かけなかった。
ライトアップしたのも昨夜までだったようで、今日は、業者が配線や灯りを撤去する作業を行っていた。
新型コロナウイルス感染症の拡大さえなければ、もっとたくさんの人に、曇天でもきれいなこの桜のある風景を見てもらえるのに、と残念に思った。
でも、生きていれば、また来年も桜の花は咲く。
次の年には桜を見られなかった母のときのことを思い出しながら、そう思ったのだった。