ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

便利で簡単、可愛い紙のしおり

2023-02-08 20:18:39 | 読む

先月、図書館から借りてきた本を読んでいたら、とあるページに折られた紙がはさまっていた。

そう、こんな感じ。

図書館の本は、返すときに、館員の人が汚れやページの欠損がないか、何か挟まったままになっていないかなどを、入念にチェックする。

ところが、これが挟まっていたのは、きっと見逃されたからなんだね。

挟まっていたということは、これは、ひょっとして「しおり」?

へえー、結構手軽で便利なものだね。

なんだか簡単に作ることができそうだ。

 

そんなことを思って、「しおり」「作り方」でネット検索してみたら、写真入りで解説しているものがすぐに見つかった。

真っ先にヒットしたのが、

「折り紙やラミネートで!『しおり』の簡単な作り方アイデア4選」

というもの。

 

しかも、そのページの最初に

折るだけ簡単。折り紙で作る三角形のしおり

というのが書いてあった。

 

ふむふむ、なるほど。

これはいいなあ。

自分でも、なにかよさそうなデザインの紙を使って作ってみようかな。

そんな気持ちになった。

 

ページの角にセットするだけの、可愛い紙のしおり。

これは、簡単便利で可愛い。

ちょっと気に入ってしまったよ。

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「万引き家族」(是枝裕和著;宝島社)

2023-02-07 20:22:33 | 読む

図書館で、特になんということもなく本棚を見て回っていた。

ずらりとならんだ背表紙を見ていたら、1冊の本が目に留まった。

手書きのような、あまり上手ではない文字で書名が書いてあった。

「万引き家族 是枝裕和」とある。

「万引き家族」は、2018年カンヌ映画祭で、最高賞のパルム・ドールを受賞した映画の題名だ。

本書は、同年ほとんど同じ時期に出版されていた。

 

あまりうまくはない題字。

そして、6個の丸いものがデザインされた表紙。

カンヌ映画祭最高賞受賞作品の小説化。

そんなことに目を引かれて、借りてきて読んだ。

 

話題になった映画だが、私はその映画をまだ見たことがない。

だから、まっさらな心で、本書を読んだ。 

 

血のつながりのない6人が家族として暮らす。

家に入る収入も少なく、「祖母」の年金が最も安定した収入だった。

「父」と「息子」の2人は、スーパーや駄菓子屋で万引きをして生計を立てていた。

その2人がそこに、家庭内DVで家から閉め出されている少女を連れて帰り、物語が進んでいく。

「母」は驚くが、少女の家庭事情を案じ、一緒に「家族」として暮らすことにする。

6人家族として幸せに暮らすようになるが、その幸せは長くは続かなかった。

ある出来事によって、彼らの抱える「秘密」が明らかになっていく。

 

血がつながっている家族と暮らすことこそが幸せと疑わない、警察関係者たちの取り調べシーンが出てくる。

その考えに対する違和感がわき起こって来る。

血のつながらない家族だけれど、家族の成員の誰もが安心して暮らせることが、本当の一人一人の幸せなのではないか、と。

 

映画監督であり、著者である是枝氏は、映画と小説があることについて、

「映画→小説→そして再び映画を観る、がベストだと思います。」

「本当はね、たぶん一度目で観ただけでは気づかないことに(小説で)気づいてもらって、2度目を観ていただくのがいいんじゃないかと思います。」

と述べていたようだ。

すでに小説を先に読んでしまった私には、それはできないけれども、ぜひ映画も見てみたいと思わせてくれた。

表紙や背表紙の題字は、著者である映画監督の是枝氏が書いたものだと思ったら、違っていた。

画家で絵本作家のミロコマチコ氏によるものだった。

読後、表紙の6つの丸は、万引き家族の成員6名を意味するのだろうと思うようになったが、正解だった。

さらに、6個は、それが本の中に出てくるビー玉のことだと気付いたのはずいぶん後のことだ。

しかも、よく見てみると、この話は第6章まであるのだが、各章の扉ページにもビー玉の絵は描いてあった。

第1章6個、第2章2個、第3章2個、第4章6個、第5章5個、第6章2個。

これは、話の展開にそって、登場する主な人物の数に合わせてのものだったのだ。

凝っている。

 

最終章の展開は、いかにも映画だと思わせるようなシーンだと思いながら、読み終えたのだった。

 

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サクラソウに感激した思い出

2023-02-06 20:24:43 | 草木花

 

街角の家に、サクラソウの苗が育っているのを見かけた。

それを見て、まだ働いているときに、冬休み中に教室の植物に感激したことがあったのを思い出した。

 

冬休み中は、室内に誰もいなくて、暖房もついていなくて、教室がとても寒くて寂しいものだった。

だが、どの教室の中でも、意思をもってしっかり生きていると見えるものがあった。

それは、各教室で育てていたサクラソウだった。

春になったときに、学校を花で飾ろうということで、当時はすべての教室にプランターを置いてサクラソウを育てていた。

そのサクラソウの様子を見て発見したことがあり、それに感激したのだった。

サクラソウの様子を見ると、明るい窓の方に1枚1枚の葉を広げていたのだ。

しかも、苗の後方の葉は、なんと立っていたのだ。

葉を広げること、葉を立てることは、少しでも暖かい太陽の光が当たるようにと、生きることに懸命な様子にほかならなかった。

だから、どの苗も、数日前よりも葉を大きく成長させていた。

そのうえ、つぼみの付いた花芽が育ってきていた。

その場所から動けないのに、大きくなろうとがんばっている。

そんなサクラソウが、一生懸命生きているすごさが伝わってきた。

見ていたら、なんだか、ジ~ンとしてしまった。

 

3学期の始めに久々に会った子どもたちには、私が見つけたこのことを話して伝えた。教室に戻ったら、教室にあるサクラソウをよく見てほしい、と。

一生懸命後ろの葉を立てて、太陽の光を浴びて成長しようとしているから、と。

子どもたちには、サクラソウに負けずに、心も体も大きく大きく成長してほしいと願ったのだった。

 

サクラソウは、その後の勤務先でもよく栽培されていた。

2月の今頃は、室内で育てていると、暖房で暖かいから咲くものもあったと記憶している。

花粉症のようなアレルギーになる子も増えたから、前のように教室で育てているのは少ないかもしれない。

でも、懐かしい「発見、サクラソウ」の思い出である。

 

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別府大分毎日マラソン、新潟県出身の青学大横田俊吾選手の快走に拍手!!!

2023-02-05 20:33:22 | 新潟

先月は、箱根駅伝で岸本大紀選手、都道府県対抗駅伝では女子の小海遥選手、男子の山本唯翔選手が、それぞれ快走を見せてくれた。

新潟県出身選手のロードでの活躍はうれしいと思っていたが、今日の別府大分毎日マラソンでも、またすばらしい走りを見ることができた。

その走りを披露した選手は、青山学院大4年の横田俊吾選手。

別大マラソンでは、順位が日本人選手2位、全体でも4位という好成績だったが、それ以上に素晴らしかったのが、記録。

フルマラソンを、2時間7分47秒でゴールし、学生のマラソンの日本最高記録をたたき出した。

従来の記録が2時間8分12秒であり、それは2003年3月のびわ湖毎日マラソンで中大4年の藤原正和(現中央大監督)が打ち立てたものだった。

この20年間破ることができなかった記録を、横田選手が破ったのだ。

 

横田選手の出身中学校は、五泉市の山王中学校。

丘の上にある中学校だったが、その後旧村松町にあった2校(山王中学校と愛宕中学校)が統合となり、村松桜中学校となっている。

ただ、現在の村松桜中は横田選手が通った山王中の場所ではなく、かつて愛宕中学校があった場所にある。

そこは、私が昨年11月に走ったごせん紅葉マラソンの主会場となった村松公園の隣に位置している。

そんな縁があって、五泉市出身の横田選手に肩入れして応援したい気満々だったのである。

 

横田選手は、1年前の別大マラソンでもフルマラソンを走り、2時間12分41秒で16位。

初マラソンとしては、実に立派な成績だった。

ところが、そんな彼なのに、今年4年生になるまで箱根駅伝を走ったことはなかったのである。

ようやく走った今年の箱根駅伝は、3区を担当し、青学大の3位はキープしたものの、区間8位と目立った成績はおさめられなかった。

 

彼が走っているときの右腕の振りは、卓球のフォアハンドの素振りによく似ているのだ。

それで「よこたっきゅう」と名付けられた特徴のあるフォームの走りは、卓球もRUNも好きな私にとって、とても魅力的なのであった。

その彼が、今日のマラソンでどんな走りを見せてくれるのか、とても楽しみだった。

 

スタートから先頭集団に付けていた横田選手の走りは、とても冷静に見えた。

いつもどおりの特徴的なランニングフォームで、大集団の中でも、無理をせずよい位置を取っているように見えた。

名のある社会人の選手が一人一人脱落していく中でも、彼はちゃんと先頭集団の中位についていた。

30kmでペースメーカーが離れ、先頭の2名の外国人選手が抜け出した時も、決して無理をしないで日本人選手の集団に入って後を追った。

やがて、社会人の日本人選手が3名、彼よりも先にスパートして3位争いを始め先行していったが、冷静にあきらめずに追っていった。

やがて、残りの距離が5kmより少なくなって行った辺りで、3位集団を追い始め、やがて残り1kmあたりで追いついたようだ。

前の3人のうちの1人は抜けなかったが、2人を抜いて、堂々の4位となった。

記録は、2時間7分47秒という立派なもの。

前回大会の優勝記録と同じタイムであった。

かつて、北京マラソンで児玉泰輔選手が、2時間7分35秒が一時期ながらく日本記録だった時があったが、それに近いタイムで走れるなんて、すごいじゃないか。

その快走に、拍手

 

同じ新潟県出身ながら、青学大で同級生だった岸本大紀選手の後塵を拝してきたように思えた横田俊吾選手だったが、4年生の最後のレースで見事な走りを披露した。

大学を卒業後、岸本選手はGMOインターネットで、横田選手はJR東日本で、それぞれ競技を続けると聞いている。

2人とも、駅伝やマラソンでこのような活躍を見せてきた。

競い合って、これからのさらなる活躍をしてくれることだろう。

新潟県人として、それが楽しみでしようがない。

 

横田選手、大学生としてのマラソン、歴代最高記録、本当におめでとうございます

今後も、大活躍を期待しています!!

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今日は立春、昨日は節分(今年も「代用食節分」なのだ)

2023-02-04 20:20:50 | 自然・季節

昨日は、節分だった。

夕食後、去年とあまり変わらぬような内容で、この年中行事を行った。

 

去年の節分の日には、「代用食(?)ばかりの節分なのだ」というタイトルで、このブログを書いた。

 

 

代用食(?)ばかりの節分なのだ - ON  MY  WAY

節分。言わずと知れた豆まきの日。わが家でも、夜にちゃんと豆まきをした。窓や戸を開けて、「鬼は外~!」と叫ぶのは、ちょっぴり恥ずかしいが、雪のある冬の夜、大声を上...

goo blog

 

 

「代用食」の意味は、

① 大豆に代わって落花生

② 恵方巻に代わって「うまい棒」

③ イワシに代わってサンマ

…という中身であったゆえだ。

 

じゃあ、今年は?

というと、大差ないのである。

スーパーに行って、見てみると、恵方巻がとにかく高価になっていた。

私が育ってきた時代には、当地で恵方巻なんて食べる習慣がなかったのだから、無理して食べる必要はない。

ということで、今年も恒例で(?)代用食だったのだ。

 

①大豆に代わって落花生

→今年も変わらず、定番となった落花生での豆まき。

外にまいたものまで回収!

②恵方巻に代わって「ロールちゃん」

→今年は、うまい棒ではなく、「ロールちゃん」

 山﨑パンから出ている、長いロールケーキのようなパン。 

③イワシに代わってイワシの缶詰

→イワシはイワシでも、食べやすい缶詰でいただく。

これでは、悪霊退散は難しいかな?

 

…とまあ、今年もお笑いのような代用食節分であった。

 

…ところで、行ったスーパーには、こんなに可愛い節分用の人形が飾ってあった。

誰が作ったのか知りませんが、買ったものかもしれませんが、可愛い。

鬼といえば、桃太郎、と考えたのか、犬・猿・キジまでついていました。

 

一夜明けて、立春。

春というには、まだ早く、外は白い世界であった。

でも、あと1週間やり過ごせば、雪が降り続いて困るということはなくなるはず。

新潟日報紙には、新潟市内の蒲原神社の梅が咲いたという記事が載っていた。

 

春はもうすぐ 春はすぐそこ♬

(by NSP)

…と考えたくなるなあ…。

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「鳥籠の小娘」(千早茜著;角川書店)を、宇野亞喜良の絵につられて読む

2023-02-03 20:58:56 | 読む

 

あっ、宇野亞喜良氏の絵だ!

 

図書館に行って、飾られていた本の一つの表紙に、宇野亞喜良氏が描いた装丁のものがあった。

なんだかとても懐かしい感じがした。

 

宇野氏の描いた絵と初めて会ったのは、まだ私が高校1,2年のころだった。

面白い本がないか、本屋の本をいろいろとあさるように探していたとき、ある本に引き付けられた。

その書名は、「さよならの城」というものだった。

主に若い女性向けの本だった。

その表紙の絵が、宇野亞喜良氏によるものだった。

ただ可愛いだけではない、特徴的な絵が気になった。

著者は、寺山修司だった。

 

裏表紙に書いてあった詩がとても気に入って買うことに決めた。

50年近くたった今でも、その詩はそらんじることができる。

 

さよならだけが 人生ならば

めぐりあう日は何だろう

やさしいやさしい夕焼けと

ふたりの愛は何だろう 

 

さよならだけが 人生ならば

人生なんか いりません

 

本の中では、この詩はもっと長かったように覚えている。

でも、裏表紙のものは、これしか書いてなかったのだったし、この長さのこの詩の部分がよかったのだった。

16,17歳の私には、本の中身よりも、表紙の宇野亞喜良の絵と、裏表紙の寺山修司の詩がイチバンだった。

 

…そんなことを思い出しながら、この「鳥籠の小娘」の本を手に取った。

作者(著者)の千早茜氏については、失礼ながら全然知らないでいた。

近くに、「大人の絵本」と書いてあった。

そうか、大人の絵本か。

じゃあ、読んでみようかな、という気になった。

 

絵本というだけあって、表紙だけでなく、中にも宇野亞喜良氏の絵がたくさん入っている。

それを楽しみたいという気にもなって、借りてきた。

 

さっそく読んだ。

40ページ余りの本であったが、千早氏の書いた物語も、宇野氏の絵も、楽しむことができた。

物語に、幻想的な絵がとてもよく合っていた。

内容について、ここでは細かく触れないことにするが、また別な千早氏の本を読んでみたいと思った。

 

この本は、2019年の発行だから、4年前でしかない。

宇野氏の今が88歳(まもなく89歳)だから、魅力的なこの本の絵は80代で描いたということか。

そう考えると、彼の創作意欲も絵の魅力もすごいものだよなあ…。

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「ALBIREX NIGATA 2022 SEASON REVIEW」が届いた(^^♪

2023-02-02 21:39:37 | アルビレックス新潟

注文していた「ALBIREX NIGATA 2022 SEASON REVIEW」が送られてきた。

何のことかと言うと、要するにサッカーアルビレックス新潟の去年の戦いを収めたDVDである。

以前、チームがJ1にいたときは、毎年そのシーズンの戦いぶりを収めたDVDは作られ販売されていたのだが、J2に落ちてからあまりに戦績が悪くなったせいか、2019年シーズンを最後に販売されなくなってしまった。

もっとも、その翌年の2020シーズンからアルベル監督を迎え、力は上向いて行ったのだったが。

だから、3年ぶりのREVIEWということになる。

 

ケースの裏側には、次のような説明が書いてある。

 

J1昇格&J2優勝を成し遂げた最高のシーズン

 

コーチから昇格した松橋力蔵が新監督に就任し、

新生アルビレックス新潟としてスタートした2022シーズン。

試合を重ねるごとにボールを支配しながら常にゴールを目指す意識が浸透。

より攻撃的なサッカーに進化したチームは勝点を積み重ね、昇格争いを繰り広げる。

そして迎えた「10・23」

新潟のために戦い抜いた先には最高の景色が待っていた。

アルビレックス新潟を愛するすべての人々に捧げる永久保存版。

 

収録内容には、

◆2022シーズンレビュー

◆2022シーズン THANKS SUPPORTERS

◆2022シーズン ALL GOALS

があり、見ていて実に気持ちよくこのシーズンを振り返られる。

1試合1試合、確かにこんな展開だったなあと思い起こしながら、1年間の歩みを振り返られるのが楽しい。

Vには、ホーム戦勝利試合のたびにやるようになったパフォーマンスも収録してあって、それがまた楽しくて笑いながら見た。

いい保存版だわ、これ。

 

2月になり、いよいよ2023シーズンの開幕まであと半月となった。

練習試合2試合は大勝していたが、先日のJ2秋田との練習試合では、1-2で負けた。

が、これもいい薬になることだろう。

ブラジル人選手の合流も近づいているようで、チームの公式動画「モバアルZ」では、2人のリモートでのあいさつ動画が提供されていた。

その2人がチームにフィットするまでは多少の時間がかかるだろうけれど、外国人に頼らないチームは、去年から出来上がっている。

今日、2022シーズンのDVDを見て、最初はうまくいかなくても、徐々に調子を上げていったことを思い出した。

さあ、今年はどうなるかな。

期待感がますます高まってきたぞ。

 

Visca Albirex !

 

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「身辺整理、私のやり方」(曽野綾子著;興陽館)を読む

2023-02-01 21:08:52 | 読む

昔から、物の片付け方は下手だった。

いろいろなものが、自分にとっては大事なものに感じて、なかなか捨てられなかった。

だから、自分の部屋にも家の車庫にも、定年後もだいぶ多くのものが残ったままであった。

それらは、工夫しながらだいぶ片付いたのだが、まだまだいろいろなものが残っている。

今まで、第1次整理、第2次整理、第3次整理と、いろいろなものを片付け捨ててきたのだが、まだまだ残っているものは多い。

 

そんな自分の片付け作業の作業になればと思い、読んだのが、本書「身辺整理、私のやり方」(曽野綾子著;興陽館)である。

「もの、お金、家、人づき合い、人生の後始末をしていく」と、表紙にも背表紙にも副題がついていた。

本書は、曽野氏があちらこちらの著書やコラムなどに書いた身辺整理について書いた文章を、主張した部分だけ切り取って項目をつけ、短い10章にまとめたものである。

その身辺整理の考え方は、実に大胆であるがすっきりしている。

第1章「ものは必要な量だけあることが美しい」であれば、

・ 少しずつ始末して減らす

・ 暮らしを少しずつ狭め、軽くして行く

・ ものとの別れを深く心にかけない

ほか、基本的な構えが書いてあるが、賛同できる。

 

以下、第2章以下では、より具体的な整理の方法が書かれている。

第2章「身辺を整理して軽やかに暮らす」では、原稿は数万枚焼いたとか写真も数千枚断裁したことを紹介しながら、「椅子、テーブル、床は物置き場に非ず」というルールを作り家に余計なものは置かないようにしているとのこと。

第3章「服は持たない

第4章「人間関係の店仕舞いをする」では、年賀状を出さない、盆暮れの挨拶をやめる、ダメになった人間関係を深く悲しまない、など一般の人には難しいことをどう考えてやってきたのかは、それができない人には背中を押してもらえる気がする。

第5章「食べ物は使い切り食器は使い込む」では、自分で買い物をして料理を作ることが最良のぼけ防止と主張している。

なかでも、冷蔵庫の中身を覚える効用について書いてあるところが面白い。

冷蔵庫の中身を覚えることは、機能の悪いコンピューターくらいの精度は要る。古いものから食べる、買ってあったものをうまく使えるように記憶する、容器や道具をあるべき場所におく、などということだけでも、ぼけない前からできない人がいるのだ。老年になってそれができたら大したものだ、と私は思っている。

そんなことはくだらない仕事だ。人間がみみっちいから考えることだ、などと言う人もいるだろう。しかし世間(の主に男たち)はこんな実益を兼ねたぼけ防止策をなかなか実行しないのである。

この部分には、思い当たる節があり、思わず苦笑いしてしまった。

さすがに妻はきちんとできているが、自分の場合、冷蔵庫にあるのに安いからと買ってしまったり、冷蔵庫にあるものを使わずに悪くしてしまったりすることのなんと多いことか。

 

以下は省略するが、第9章「死ぬときは野垂れ死にを覚悟する」や第10章「人生の優先順位を決める」は、自分が持ち続けたい思いが次々に書かれていた。

・寿命に関してだけは、深く考えない

・寿命が来て死ぬのが一番美しい

・自分だけが不幸なのではない

・明日、最期の日がきてもいいように

・人間は死ぬ日まで、使える部分を使う

・自分の晩年がいつになるかは、誰もわからない

・年貢の納めどきは自分で決める

 

これらの項目に書かれてあることに対しては、いちいちうなずけるものばかりであった。

かような考えをもって、90歳を越えて今なお元気な著者のしてきたことやしていることが書かれてあることだけに、説得力があった。

自分にとって難しいと感じている、ものや人づき合いについてのことは、かなり参考になった。

 

だが、そう簡単にはできないことも確かである。

とはいえ、著者のようにやはり自分でルールを決め、納得して自己決定していくことが大事だと再認識した。

そして、「一日に必ず1個、何かものを捨てる」とか「一日に一つだけ解決する」というような実践を続けて、少しずつでもわが身辺整理も進むようにしていきたいと思うのだ。

 

そんなことを思っていた私だが、じゃあ今日は何をした?

…………………(汗)

 

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