千年に一度という大地震、大津波、その上に東京電力福島原子力発電所の放射能汚染と「想定外」の厄日から明日で三年経ちます。
俳人の照井 翠さんの句集『龍宮』が、現代俳句協会の特別賞を受賞されました。まさに現場に立たれた俳句人の悲鳴、嘆きが厳粛な事実を描いておられます。一部ですがここにご紹介し犠牲者の霊に皆さんとともに合掌したいと存じます。
●泥の底繭のごとくに嬰(やや)と母
●双子なら同じ死顔桃の花
●毛布被り孤島となりて泣きにけり
●潮染みの雛(ひいな)の頬を拭ひけり
●三・一一(さんてんいちいち)神はゐないかとても小さい
●卒業す泉下(せんか)にはいと返事して
●撫子のしら骨となり帰りけり
●柿ばかり灯れる村となりにけり
●春光の揺らぎにも君風にも君
●亡き娘(こ)らの真夜来て遊ぶ雛まつり