四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

横浜俳話会みなとみらい賞

2014-10-18 21:53:00 | 俳句

 第4回みなとみらい賞准賞に、親友の表 邦彦氏(あかざ俳句会)が選ばれました。氏は現役のデザイナーで、あかざの編集長をされております。奥さまも息子さんも俳句をされ、色彩感覚の鋭い個性的作品を連発されております。同人仲間としておおいに喜んでいます。氏が応募された20句をご紹介いたしますので味わって下さい。

 

    「水」      

  虹といふあやふやな脚立ちにけり

  青しぐれ水の平を驚かす

  百選の水足してある金魚かな

  青葉風テナーの声の裏返る

  風鈴や沖に雲湧く無人駅

  夾竹桃空に深みのひとところ

  空蝉をのせて水面のへこみたる

  天瓜粉匂ひて時のはるかまで

  不可思議な呪文のやうにところてん

  凌霄花の吐き出す昼といふ媚薬

  日の暮るるまでに間のあり山法師

  待つまでの水はすべすべ蛍の夜

  身の内に満ちて晩夏の波の音

  闇あればこそ流灯の生き生きと

  さざ波に銀河のかけら紛れけり

  水槽に水の断面いなびかり

  人体は聖なる器水の秋

  流木のひときは白き焚火跡

  折れさうなこころに島の花便り

  堰の水落花をとどめ落ちにけり

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