四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

白河の関を訪ねて

2016-09-10 18:14:47 | 生かされて今日

 福島県にある白河の関は大昔、北方のえぞの南下を防ぐ大和朝廷の軍事拠点でした。12世紀頃その用が廃されてからは複数の関跡が言い伝えられ確定的にはこの関がどこに存在したのかが不明となりました。江戸時代の松平定信が白河領主の時に関の跡がここだと特定されたそうです。昭和30年代に政府機関による科学的発掘調査が行われ松平定信の断定が間違いなかったとされています。小山の鬱蒼とした古木の中に防衛のための空堀が発掘されています。

日本文学有数の歌枕とされており多くの武人、文人が訪れています。平 兼盛、能因法師、西行、頼朝、義経、芭蕉らです。

駐車場に降り立つとなんと桜餅の香りがする空気でした。桜葉の匂いで感動しました。

『おくのほそ道』の芭蕉翁の名文をどうぞ。

「心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて、旅心定りぬ。いかで都へと便求しも断也。

中にも此関は三関の一にして、風騒の人、心をとゞむ。秋風を耳に残し、紅葉を俤にして、青葉の梢猶あはれ也。

卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。古人冠を正し、衣装を改し事など、清輔の筆にもとゞめ置れしとぞ。  卯の花をかざしに関の晴着かな 曽良」

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