『菩薩の修行として教えられております六波羅蜜(ろくはらみつ)の最初に、「布施」があります。梵語(ぼんご)では「ダーナ」、日本語では「旦那(だんな)」ということが「布施」にあたるわけです。
一家の主人である「旦那」には、いかに家族を経済的に安定させるか、奥さんをいかに精神的に安定させるかという意味合いがあります。そして、お寺などを成り立たせている「旦那」とは、「布施」をする人たちです。
また、私たち在家仏教でいう「布施」には、特に、物を人に施さなくてもできる施しがあります。その一つは、私たちが健康を保つことです。家族のため、あるいは会社のために元気で働く。健康を保つということも「布施」の姿であると教えて頂いております。
毎日、元気で健康に暮らすことは、心も安定しますし、家族にとっても安心をもたらし、とても大事なことなのです。
健康を保つためには、いつも物事を肯定的に見ることが大事です。そして明るい言葉をたくさん使うと、元気になって健康になるそうです。暗い言葉、否定的な言葉を使うと、だんだんと元気を失ってくるとも言われております。
ですから、人と会ったら明るい言葉で「おはよう」と言う。男性でしたらネクタイを見て「素晴らしいネクタイですね」と褒めてあげる。そのように、肯定的な言葉を使っていると、言葉をかけられたほうも、かけるほうも元気になるのだそうです。ぜひ、日常生活の中で、言葉遣いにも気をつけて、精進をさせて頂きたいものであります。』
『佼成新聞』庭野日鑛会長