四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

正義とはなに

2019-02-04 09:12:54 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『正義という言葉は、だれの耳にも心地よく響きます。それだけに、正面からそれに反対することはできないのですが、過去の歴史を見ると、その正義が悪用されて恐ろしい殺戮(さつりく)が行なわれてきたのを見逃すわけにいきません。

正義の戦いだと思っていたものが、じつは侵略にすぎなかったり、一つの正義にとらわれて罪のない人びとの命を平気で奪うといったことが現実にあったのです。

正義という言葉ぐらい、あやふやなものはありません。十人の人がいれば十の正義があり、十の国があれば十の正義があると言われます。その正義を信じて、自分のほうこそ正義で、相手は不正義だと争い合い、ついには戦争に至ってしまうのですが、そのはざまで苦しむのは一般市民です。「だから、正義を守ることよりも平和を守ることのほうがより大切なのだという考えを徹底させなければならない」と主張する学者もいます。

正義という言葉には、敵対するものを力で押さえつけるといった感じがつきまといます。仏教学の権威の中村元(なかむらはじめ)先生は「正義には慈悲が伴わないと危険だ」と強調されています。慈悲を伴う正義であってこそ世界の平和に有効な働きができるのです。』

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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