『可能性は半々だから
大勢の人の先頭に立つリーダーは、あくまでも「この仕事をやりぬくのだ」という意志、そして、「これは必ずやり遂げられるのだ」という確信が、なによりも大事です。それが、周囲の人を引っ張っていく力の源泉だからです。
リーダーは、みんなに新たな一歩を踏みだしてもらう、その先頭に立つ人です。これから始める仕事の可能性は半々であっても、出発点で「この仕事は果たしてできるのだろうか」と迷うと、天秤は失敗のほうに傾いてしまうことが多いものなのです。
かつて「ミスター・ジャイアンツ」と呼ばれた長嶋茂雄さんは、ここぞという見せ場で必ず打つといわれたものでした。その秘訣について長嶋さんは、「そういう場面でホームランを打つ自分の姿を、いつも頭に描いていることです」と話されていました。
「打てるだろうか」「いや打てないかもしれないな」などと迷わないわけです。「この仕事は必ず成し遂げられる」と信じる力が、天秤を可能性のほうに傾けるのです。
信仰の世界も同じです。「この教えどおり行じれば、必ず救われます」と言いきれる人でなくては、人は救えません。』
庭野日敬著『開祖随感』より