『江戸時代の有名な儒者だった佐藤一斎に、「一灯を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一灯をたのめ」という言葉があります。
時代の流れが大きく変わるときは、真っ暗闇の夜と同じで、何か手がかりが欲しくなります。
それで、あれこれ新しい情報を求めるのですが、結局、それに振り回されるだけに終わることが多いのです。目先の動きに目を奪われて、長期的な見方ができなくなってしまうからです。
変動がはげしいときほど、頼める一灯を持たなくてはならないのです。
日蓮聖人は、「木の根が深ければ枝葉は枯れず、水源に水があれば流れはかれない。薪がなくなれば火は絶え、大地がなくては草木は生長することができない」と教えておられます。
どっしりした基礎を持たなくては、いくら最新情報を集めてみても、何をどう変えればいいのかさえ分からなくなってしまいます。行く先ばかりを見定めようとあせらず、まず足元を定めなくてはなりません。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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