薄日が差してゐる今のうちにと、午前中に外出の用事を済ませる。
町内の歩行者には覆面もゐれば、しれっとした表情の“裸面”もゐる。
私が視た限り、裸面にはみすぼらしい外観なのが多いと感じて、納得せしことあり。
お店で會計するとき、店員にポイントカードやら駐車券やらの有無を身振りを交へて問はれて、こちらも覆面では聞こえにくからうと、今までより首や手を大きく振りながら應答してゐることに気が付く。
──これも、「新しい生活様式」なるや?
東京都が今日集計した感染者數は124人云々。
確かな治療藥も無いなか、官民そろって「かつての日常を奪還せよ!」などと先走った當然の結果なれば、困惑などもはや野暮だ。
相変はらず“夜の街”ばかりが槍玉に上ってゐるが、かの連呼ぶりを眺めてゐると、“市中(昼の街)”になにか為政者にとって都合の惡い事例(數字)が確認されて、それを隠すために“夜の街”をイジメて、浮世の目を逸らせやうとしてゐるのではないか──
そんな誰もがやりさうな下衆の勘繰りをしてみたりする。
なんであれ、官は失政續きのなか、この人体感染實験だけは、着實な成功を収めてゐる。
そして昨晩にかのオトコマエ大臣が記者團相手に言ひ放った、
「“お手上げ宣言”は誰だってイヤだし、アンタらもさうだらう。(中略) そっちがしっかりやってくれなきゃ、経済活動も出来ないんだぞ!」──
支那病菌担当相にしてこの發言が、いまの官の“限界”を、はしなくも曝け出す。
しかも、具体的な病菌對策につひては、なにも示せず。
このオトコマエ大臣、政治屋にしては案外解り易いヒトなのかもしれない。
だとしたら、この業種向きではなからう
。
が、顔つきからしてタヌキな現女都知事の標語作家ぶりに比べれば、その性質は個人的には嫌いではない。