平塚市美術館の「川瀬巴水展」を観る。
紆余曲折を経て大正時代に木版画家として登場し、戰後に没するまで美しき日本を彫り續けた藝術家の、數々の名品で辿る一代記。
輪郭と色遣ひの一つ一つがとても鮮明な画風は、風景画でその魅力がさらに發揮される。
しかも川瀬巴水が目にして紙へ残したそれら風景は、現在(いま)では喪はれたものが多いため、その場所の往年の風景を知る貴重な資料としての価値も併せ持つ。
そして私はなによりも、青を基調とした夜景世界に、
小林清親のそれとはまた違った魅力に遊んで、今日の土産とする。