迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

不変不誇。

2023-10-01 23:30:00 | 浮世見聞記




あの建物の完成間近の頃に、私は町へやって来た。

開業はその後すぐで、その後町を離れてからも、私はあの建物に用事があってたびたび訪れた。

建物は變ってゐないが、變ったのはいつでも私の肩書きの方だった。

あの建物が完成した日の私が、令和五年現在の私を見たら、必ずや愕然とするはずだ。


ただ、肩書きはいつも異なれど、目指すものは何一つ變ってゐないはずだ。


それだけは、あの建物の完成を現在(いま)はもふない部屋の窓から見てゐたあの時の自分に、誇れる。









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