茨城縣結城市のダンスイベント「祭りゆうき2024」に“和の踊り”として参加し、現代手猿樂「すゑひろかり」を舞ふ。
會場は野外(公園)と屋内(文化ホール)に設けられ、私は屋内に割り振られて、昼前と昼過ぎの二回、舞薹に立つ。
一日のうち複数回の演舞が希望できるのはなかなか魅力的だが、私はまぁ、二回が限度だらう。
假に三回では、舞ひながら余計なことを考へさうだ。
今回の結城旅は、中世關東武士の名門だった結城家の館跡を訪ねることも、目的のひとつ。
會場を過ぎ、國道五十號線を渡ると左手に見える木立がその遺跡で、室町時代に現在の結城城趾の地に城が築かれるまで、結城家の本拠地と傳承云々。
跡地をぐるりと囲む土塁に沿って向かふ側へ行くと、畑地が静かに廣がり、その光景にしばし惚眺す。
もしかしたら今日は、このために来たのではないかとすら思ってゐると、はるか背後の祭り會場から、爆音が微かに聞こゆ。
お祭りも敷地を一歩出ればしょせん余所事と、浮世の廣さをただ思ふ。