迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

今様仲國。

2020-09-16 20:23:00 | 浮世見聞記
新宿驛より地下から地上へ上がると、雅楽の澄んだ調子(こゑ)が喧騒を縫って、私の耳に届ひた。


はて……?


謠曲「小督」の源仲國が、箏の音色を訪ねしごとく、私は主を辿り行く。


やがて、ひとりの男性が龍笛を奏する姿を見る。



主はここなり……。


俗喧のなかで、雅びに逢ふ不思議さよ。


街頭で津軽三味線を掻き鳴らす者は数多あれど、

龍笛とはまた珍しい。



これが今日いちばんの御縁。



心洗はるる心地して、

私はそのこゑに禮をする。






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