迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

野暮は揉まれて塵となる。

2019-04-11 16:19:46 | 浮世見聞記



人の流れが変はる季節となり、交通機関は五月いっぱい遅滞する。




その要因たちは、

いづれもひとつの雛形を模った姿形(なりかたち)で、

しょせんは馴染めぬ景色のなかを、

都会人気取りにさまよい歩く。




やがて手にした機器に振り回され、

奥の迷路にはまり込み、

都会(ここ)は人の住むところでないと、

夢の枕でひとり哭(な)く。



なにも無い人は、

なにも無いところへ帰るべし。





『キツケヌ冠上ノキヌ、持チナラハヌ杓持テ、内裏マシハリ珍ラシヤ』





ほらほら、

また線路に落ちた。



しかし私は構わず、



加速する。



向かふに提灯が見える。


私のお楽しみは、

あちらじゃ。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音樂は瑞々しく熟成する。 | トップ | 麿のあそび。 »
最新の画像もっと見る