東京二十三區内に用事があって出かけたつひでに、もはや息の根が止まった茶番大運動會の會場を一見せばやと、下らぬ野次馬根性を起こして候。
なるほど、會場周辺は至る所に関所が設けられ、
私のやうなマヌケを寄せ付けないやう頑張っておりゃる。
これらを見てさへも、なるほど權力とはすなはち魔力なり。
暑さとマスクで茹で上がった顔をしながらスマホを構へてゐる“お仲間”の傍を抜け、
余計な防護柵のために余計狭苦しくなった坂道を千駄ヶ谷驛方面へ下る途中、
下から茶番大運動會の関係者と思しき門鑑を首からさげた邦人女と異人男が、いづれも大荷物をゴロゴロと轟かせて上って来た。
なるほど、會場周辺は至る所に関所が設けられ、
私のやうなマヌケを寄せ付けないやう頑張っておりゃる。
これらを見てさへも、なるほど權力とはすなはち魔力なり。
暑さとマスクで茹で上がった顔をしながらスマホを構へてゐる“お仲間”の傍を抜け、
余計な防護柵のために余計狭苦しくなった坂道を千駄ヶ谷驛方面へ下る途中、
下から茶番大運動會の関係者と思しき門鑑を首からさげた邦人女と異人男が、いづれも大荷物をゴロゴロと轟かせて上って来た。
前をいく邦人女の、マスクを正しく装着したそのふてぶてしい面構へに、これだから浮世見物は止められないと、今日一番の収穫となる。