鐵道各社は“計画運休”を発表し、
人々は水とパンを買ひ漁り、
家の窓といふ窓にテープを貼る。
すでに自転車を倒しておひて、
来るであらう災害に備へるお宅もありける。
私も部屋の窓に初めてテープを貼り、
携帯ラジオと懐中電灯を確認す。
明日の外出先での勉強は、“自宅学習”に切り替へる。
計画が狂はされたことは、相手が自然であるだけに怒りの持って行き場がなく、それだけに余計に腹が立ってしまふ。
さりながら、このやうな状況下でも明日の出勤を心配しなければならない人に比べたら、一日屋内にいられる自分は幸運を感謝せねばなるまゐ。
それぞれが台風に備へるなか、
実際には今も何も考へていないのが、
権力者だらう。
そしてそれでも出かけるのが、
“アウトドア”愛好者たちだらう。