迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

廣い世界に誰あって。

2018-04-25 18:44:57 | 浮世見聞記
このごろ街中で、昔の知り人や、らしき人をちょくちょく見かける。


とっくの昔に縁の無くなった相手のはずなのだが、おそらくは様々な人生の線が交錯する都会におゐて、その線がたまたま接近しただけ、のことだらう。


或ひは、考へや行動が、どこかで似たり寄ったりだから、か?


「世間は狭い」の本質、すなわちこれなるか?


おそらく私も、

どこかで誰かに、

「あれ、アイツじゃないか……?」

と思はれてゐることだらう。



さりながら。



もう一度逢ってみたいと思ふ人には、

それから一度も逢へた試しがない。



それは、行動様式がその人とはまったく異なり、

そしてお互ひに違ふ世界へ向かって、

歩ひてゐるからだらう。


「御縁が無い」の本質、

すなわちこれなり。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いまは虚しき夢枕。 | トップ | この國は平和だなと思ふ光景。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。