迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

五智招福。

2023-05-25 20:45:00 | 浮世見聞記


東京都品川區西大井五丁目にて、“大井の大佛”と刻まれた石標の立つ寺院の前を通りかかり、この界隈に大佛があったかなぁ、と氣になり足をとめる。



その寺院は「歸命山 養玉院如来寺」と云ひ、寛永十二年(1635年)に創建された天臺宗の靈場云々。



件の“大佛”とは、境内の奥にある如来堂に安置された五体の木像佛を云ひ、高さ3.21メートルの大日如来を中尊として橫一列に並んだ、いはゆる「五智如来」云々。



金色の尊顔には、浮世に蔓延する様々な苦難から逃れ、現世利益を得やうとする民衆の願ひが刻まれて、なるほど私のやうな俗人が縋りたくなる靈力が漂ってゐる。



お堂の右橫から自由に入って拝觀できるやうになってゐたので、お言葉に甘へて五智の足許より、古へ人より變らぬ願ひを、私も唱える。








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