夏草や夢のままなり夢の跡。

炎夏な二ヶ月を何とか無事に乗り越えたのだから、九月は少し体を休めるつもりで、まず今日は何もしないゾ、と決めてその通りにする。

涼しい氣候になったら──なるか分からぬが──、また忙しくなるハズゆゑ。

散歩道の途中にあった廣大な空き地が春頃から宅地化して、夏までにいくつもの建賣物件が出来上がったが、交通の便が宜しくないゆゑか、その割に高価(たか)いゆゑか、大半が賣れ殘りとなって敷地は早くも雑草の棲家となりつつある。

これでは近頃よく見かける廢屋化した空き家物件と、あまり變はらない。