久しぶりに能の舞台へ上がり、「高砂」を舞い仕る。
先週に黒川能でこの曲を観て、旅のよい思い出となっているだけに、その気分を壊さないやう、つとめる。
装いは夏らしく、浴衣に袴をつける。
浴衣は、祖母の形見を男物に仕立て直したうちの一枚を、用意した。
芝の鳶職の家に生まれ、若い頃は清元をたしなみ、その後は晩年まで踊りを生き甲斐とした祖母。
遺してくれた浴衣の柄はいずれも、生粋の江戸っ子らしい趣味に溢れ、しかも現在ではとんと見かけなくなったものばかり-つまり、手に入らないであろうものばかりだ。
いま街中では、洋服の延長のような、安手なプリント柄の浴衣しか見かけない。
祖母にはとにかく、感謝の一言に尽きる。
先週に黒川能でこの曲を観て、旅のよい思い出となっているだけに、その気分を壊さないやう、つとめる。
装いは夏らしく、浴衣に袴をつける。
浴衣は、祖母の形見を男物に仕立て直したうちの一枚を、用意した。
芝の鳶職の家に生まれ、若い頃は清元をたしなみ、その後は晩年まで踊りを生き甲斐とした祖母。
遺してくれた浴衣の柄はいずれも、生粋の江戸っ子らしい趣味に溢れ、しかも現在ではとんと見かけなくなったものばかり-つまり、手に入らないであろうものばかりだ。
いま街中では、洋服の延長のような、安手なプリント柄の浴衣しか見かけない。
祖母にはとにかく、感謝の一言に尽きる。