"寒の戻り”の天候なれど、川の向こうの町で鶯の初音を聞く。
聲が甘いところをみると、まだ雛かもしれぬ。
今年もやっと聞けた.…。
と安堵しつつも、昨年まではよく耳にした私の住む町では、いまだ初音に接していないことが気に掛かる。
昨年末あたりから埃くさい土方が入り込んで樹木を伐り払ひ、そこへ安普請な家屋やら集合住宅を建て始めたので、春の使者にそっぽを向かれたのだらうか?
よそから移り住む人間などいらない。
いつもの聲を、私は待ちわびる。
"寒の戻り”の天候なれど、川の向こうの町で鶯の初音を聞く。
聲が甘いところをみると、まだ雛かもしれぬ。
今年もやっと聞けた.…。
と安堵しつつも、昨年まではよく耳にした私の住む町では、いまだ初音に接していないことが気に掛かる。
昨年末あたりから埃くさい土方が入り込んで樹木を伐り払ひ、そこへ安普請な家屋やら集合住宅を建て始めたので、春の使者にそっぽを向かれたのだらうか?
よそから移り住む人間などいらない。
いつもの聲を、私は待ちわびる。