テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

アクアなクライム・ノヴェル?

2009-12-08 23:11:21 | ブックス
 こんにちは、一度『地デジカ』くんに会ってみたいなぁと思うネーさです。
 彼は、ゆるキャラ……というより、とぼけキャラくん?
 
「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 ふんッ! 
 しょせんッ、しかなどォくまのてきィではありませんよゥ!」

 鹿、クマ、そして本日ご紹介いたしますこの作品に登場するのは
 ……熱帯魚くん!
 動物まみれ、お魚まみれな、こちらを、どうぞ~!



            ―― リッターあたりの致死率は ――



 著者は汀こるもの さん、’09年4月に発行されました。
 『THANATOS(タナトス)』と英字が題名に添えられています。

「むッ! たなとすゥ!
 これはァ、あのォ、しにがみィくんッ!でスねッ」

 はい、以前に御紹介しました『パラダイス・クローズド』
 『まごころを、君に』『フォークの先、希望の後』といった
 汀さんの作品で探偵役を務める双子くんの、
 お兄さんの美樹(よしき)くんを評して
 ……死神(タナトス)。

 美樹くんのゆくところ、
 有無を言わさず、不幸な出来事が連続するのです。
 人智を超え、数学的確率も常識も無意味なほどに、
 悪いことばっかりが。

「まさかァ、こんどもォ、でスかッ」

 御本人は望んでもいなかったのですけれど、
 今度も、なのでした。
 熱帯魚マニアである美樹くん、
 『国際鑑賞魚フェスティバル』へ、
 デート気分でお出かけいたします。
 弟の真樹(まさき)くん、お目付け役の刑事・高槻さん、
 美大生の彼方(かなた)さんと一緒に、
 一匹ン万円もするお魚さんたちをのどかに眺める……つもりが。

「わきゃゥッ!
 きゅうきゅうしゃでスゥ!
 ぱとかーでスゥ!」

 大混乱となったフェスティバル会場から、
 かろうじて逃げ出した美樹くんと彼方さん。
 しかし、タナトス美樹くんに安息の地はないのでしょうか、
 新たな犯罪に巻き込まれてしまいます……。

「しにがみくんもォ、さいなんッでスねェ~……」

 汀さんのデビュー作『パラダイス・クローズド』は
 細部まで計算されつくした本格ミステリの色合い濃い作品でしたが、
 この御本はクライム・ノヴェル……と呼ぶべきでしょうか。
 刑事さんである高槻さんの視点から
 描写されているパートも多いので、
 一風変わった警察小説とも考えられます。
 
 オサカナ好き、いえ、熱帯魚好きさんにとっては当然の、
 でも熱帯魚は分かんないわ?な私たちビギナーには
 驚きのオサカナ知識もちりばめられたこの御本、
 新奇なミステリどーんと来いっ!な活字好きさんにおすすめ、ですよ~♪

「ちでじかくんよりィ、
 ねッたいぎょくんのほうがァ、ふしぎィい~ッぱいィでス!」

コメント
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