テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

舞台は、西へ西へ!

2010-09-08 23:18:09 | ブックス
 久しぶりの雨、いえ、大雨!
 天から水が降るという事実に、なんだかビックリしちゃったネーさです。
 皆さま、ご無事でしょうか?

「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
「ぐるる!がるっ!」(←約:虎です!雨すごっ!)

 風雨も過ぎ去り、庭では秋の虫さんたちが
 ルリルリと鳴いている本日は、
 こちらも久々!
 重厚な小説を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!


 
         ―― 西巷説百物語(にしのこうせつひゃくものがたり) ――


 
 著者は京極夏彦さん、’10年7月に発行されました。
 あの《巷説百物語》が、
 西国――上方を舞台に、新たに開始されましたよ♪
 ファンにとっては嬉しい事件ですね!

「わほほゥ!
 にしのォ、おくにィでもォ、じけんがァ、てんこもりィッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:怪しい事件だね!)

 東国は武州生まれの又市さんが《軍師》をあいつとめましたのが
 『巷説百物語』。
 では、こちらの『西』版はと申しますと、
 軍師の役どころを背負うのは、
 帳屋(ちょうや)の林蔵(りんぞう)さんでございます。
 
 紙、帳面、筆などの、書き物道具一式を商うお店を営んでいるのが
 林蔵さん――

 林蔵さん、靄船(もやぶね)の林蔵とも呼ばれております。
 帳屋の主人さんをそう呼ぶのは、
 ……ちょっとワケありの方々、なのでした。
 困っていたり、
 迷っていたり、
 不思議を抱えていたり、の御方たち。
 林蔵さんが、彼らに施す《仕掛け》、とは……

「むほッ!
 りんぞうおにィさんはァ、もしやッ?」
「がるがるぐるっ?」(←訳:又市おにいさんの親戚っ?)

 親戚というよりは、同類さん、でしょうか。

 さっぱりと垢抜けた外見の、
 顔つきも整った佳い男。
 すっと通った鼻筋だけれど、
 風貌を自慢もせず、
 林蔵さんのお店の大福帳はげんがいい、と評判です。

 でも、彼の本当の顔は。

「だれもォ、しらないィ~♪」
「がるがるるる~♪」(←訳:知られちゃいけない~♪)

 この御本には7つのお話が収録されておりますが、
 ネーさのおすすめは
 『夜楽屋(よるのがくや)』。
 とある人形浄瑠璃の一座で、事件は起こりました。
 だぁれもいないはず深夜の楽屋で、
 夜な夜な、かたこと、こつこつ、さわさわ……と音がするのです。
 楽屋にいるのは、いえ、あるのは、
 お人形だけ。
 なのに、なぜ音が……?

「ひえェッ!
 ほらーでスかッ!」
「ががががるるるっ?」(←訳:たたた単なるホラーじゃないよねっ?)

 おそろしくも艶やかな騙りの語り!
 夏の宵に、秋の真夜中に、
 京極さんファンの方々はぜひ!

 次作は『南巷説百物語』(←八丈島あたりが舞台!)、
 『北巷説百物語』(←蝦夷の交易地あたりが舞台?)
 なんてのはアリかしら?と、
 ついつい空想してしまいます!

「ないないィッ!!」
「がるるるるー!」(←訳:絶対にないー!)
 
コメント
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