テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

万感を、ことの葉に乗せて。

2010-09-12 23:26:43 | ブックス
 (♪カラ~ンコロ~ンカラ~ン♪…と始業の鐘が聞こえてきました)

 えへん、皆さま、おほようございま~す!
 ネーさの読書お授業もどきの時間がやってまいりましたよ。
 では、出席をとりましょう。
 テディちゃくん!

「ふァいッ!」

 虎くん!

「がるっ!」

 はい、たいへん良いお返事をいただいたところで、
 今日のテキストは、こちらでーす!

 

               ―― 本日は、お日柄もよく ――


 
 著者は原田マハさん、’10年8月に発行されました。
 早速ですが、注目~!
 この御本のキーポイントは、ここです! 

  《スープ皿に顔を突っこんだ女》!

「……ふァ??」
「……ぐるっ??」

 繰り返しましょう、スープ皿に顔!ですよ。
 あら、テディちゃ、ポカンとしてるけれど、
 これは大切なポイントなのよ。
 御本の主人公にして語り手、
 二ノ宮こと葉(にのみや・ことは)さんの身に、
 実際に起こった、
 そしてその後の彼女の人生を大きく変える出来事が
 他ならぬ《スープ皿に顔》だったんです。

 幼なじみの結婚式に招かれたこと葉さん、
 某社の社長さんの退屈なスピーチに、
 つい、うつら、うつら……となってしまいました。
 こと葉さん、きっと朝早くから晴れ着の着付けをしたりして
 寝不足だったんでしょうね。
 うつら、うつら……こっくり、こっくり、が……とうとう!
 がくり!
 コンソメスープのお皿に、
 こと葉さんの顔面が命中!!

「ひえェッ! おけがはァ??」
「ぐるがるるっ?」(←訳:無事だったのっ?)

 安心なさいな、スープはぬるくて、
 こと葉さんは火傷を負うこともありませんでした。
 
「ほッ♪」
「がるがるるっ!」(←訳:良かったね!)

 いいえ、良くはなかったのですよ。
 こと葉さんの晴れ着とメイクはめちゃめちゃです。
 おめでたい席で粗相をしてしまって、
 招いてくれた幼なじみに申し訳なく、
 会場をヘンテコな笑いで沸かせてしまったことも情けなく……

「きにしちゃだめェ、でスよゥ!」
「ぐるるぐるる!」(←訳:ミスは誰にだってあります!)

 こと葉さん、
 会場の外で、肩を落とし、気持ちも落ち込ませておりましたが、
 そこで巡り逢ったのが、ひとりの女性。
 彼女は思わぬ励ましの言葉を、こと葉さんにかけてくれました。
 
 あなたの粗相が、スピーチしていた社長さんを救ったのよ、と。

「ふァ?? いみふめいィでスゥ!」
「がるがるぐるる?」(←訳:どういうことだろ?)

 謎めいた言葉の主は、
 久遠久美(くおん・くみ)さん。

 猛烈に好奇心をそそられ、こと葉さんが注視する中、
 壇上に立った久美さんは、
 すばらしいスピーチを披露いたします。
 眠くなるどころか、
 会場に居合わせたすべての人々の微笑みと涙を誘う、
 心ゆさぶるスピーチでした……!

「ほほゥッ!わんだふるゥ!」
「がるるー!」(←訳:すごいー!)

 スピーチのちから――それはつまり、
 言葉の力。
 その魅力に、一瞬でノックアウトされたこと葉さん。
 久美さんの後を追うようにして走り出す彼女の、
 行く手にひらける新しい世界とは?

 こと葉さんの物語は、
 先日ご紹介しました池井戸潤さん著『民王』と同じく、
 世界が変容してゆく物語です。
 小さな、ごくささやかな、
 けれど消しがたい思いのたけ――《言葉》の力を信じることにかけては、
 私たち活字マニアだって負けていませんよね!
 さあ、テディちゃくん、虎くん!
 ネーさ激おすすめのこの御本をすぐにも読了して、
 読書感想文を提出のこと!

「ぎゃわうゥえェッ!」
「ぐるる~っ!」(←訳:マジでぇ~っ!)

 (♪カラ~ンコロ~ン♪…と、ここで終業の鐘が)
 
 あら、時間のようですわ。
 では皆さま、次回のお授業もどきで、お会いしましょう! 
コメント
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