テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

言葉を、つなげば。

2010-09-17 23:47:48 | ブックス
 んまあっ!連休!
 んまああっ!関東地方はお出掛け日和が続く、ですって!
 こんにちは、休日は何処へ、じゃなくて、
 何を読もうかな~♪と考える活字マニアのネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:虎です!)

 さあ、連休にこそ読書タイム!
 本日は、いま本屋さんでベストセラーリストにランクイン中の
 すばらしい作品を御紹介いたしますよ。
 こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― 永遠の0(ゼロ)――



 著者は百田尚樹さん、単行本は2006年に、
 画像の文庫版は’09年7月に発行されました。
 以前に御紹介したスポーツ小説の傑作『ボックス!』で
 ボクシング好きさんたちの共感を勝ち取った著者・百田さんの、
 デビュー作がこの御本なのです。

「べすとせらッ? すごいィでスねッ!」
「がるるる!」(←訳:きっとすごい御話なんだ!)

 そうですね、すごい……それとも、凄まじい、と形容すべきでしょうか。
 
 主人公は、司法試験浪人の健太郎(けんたろう)くん。
 今年こそ難関の試験を突破すべく、猛勉強の真っ最中!
 ……と言いたいところですが、
 お姉さんの慶子(けいこ)さんからの依頼で、
 なんだか奇妙なことに手を染めてしまいました。

 僕のお祖父さんて、どんなひとだったんだろう?

「うむッ? おじいちゃんッ?」
「がるるっ?ぐるるっ?」(←訳:父方のっ?母方のっ?)

 母方の祖父――宮部久蔵(みやべ・きゅうぞう)さんについて、
 必死に調べているのですよ。
 健太郎くん、実の祖父ではあっても、
 久蔵さんは60年ほども前に亡くなっているのですから、
 その生涯を何も知りません。

 ただ……『特攻隊で死んだ』というくらいしか、
 聞かされていないんです。

 調べろ、ったって……気が進まないよなあ、と
 健太郎くん、思っておりました。
 退屈しのぎにやってみるか、という気持ちでおりました。
 最初のころは。

「さいしょはッ?」
「ぐるがるるっ?」(←訳:でも今はっ?)

 厚生省に問い合わせて判明する祖父の軍歴。
 戦友会に照会し、祖父を知る人々と会い、
 久蔵さんの人となりを語ってもらう日々。
 
 退屈など光年の彼方へ吹き飛んでしまいました。
 祖父の人生と、
 健太郎さんは向き合い、問いかけます。
 
 久蔵さん――なぜ?

 なぜ貴方は特攻へ?

 或るひとは悪しざまに罵ります、
 宮部久蔵は大変な臆病者だったと。
 また或る者は、
 宮部さんは優秀な教官だったと讃えます。
 優秀だったけれど勇敢ではなかったと言う者、
 あの人は多くの学生に慕われていたと言う者もいます。

「むむゥ? どれがァ、ほんとゥ?」
「ぐるるる~…」(←訳:難しい~…)

 難解なパズルのような、回想と証言。
 カケラを丁寧に、
 心をこめ、ひとつひとつ、つなぎ合わせていった果てに、
 健太郎くんと姉の慶子さんが見出した
 久蔵さんの素顔――
 実の祖父の、思いの形は……。

 文庫版が発売されたのは、一年も前でした。
 それが今夏、ベストセラーとして認められる御本になりました。
 読むモノがなけりゃやってらんない!悲しい!
 という活字マニアさんだけでなく、
 たくさんの一般の方々もがこの御本を手に取った結果、ですね!
 未読の御方は、この連休に、ぜひ!

「おすすめェなのでスッ!」
「がるぐるるがるっ!」(←訳:厚いけど一気読みでっ!)

 激おすすめの、一冊です!!
コメント (6)
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