テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 追悼 我嘲禅師 ~

2010-09-13 23:33:46 | ブックス
 暑さは今日まで、明日からは秋の気候がやってくるのだそうですね。
 嬉しいような、名残り惜しいような……こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 夏が去るのと時を同じくして、
 私たちは、敬愛してやまない或る御方を失いました。
 
 谷啓さん――

 本日は、谷さんを偲ぶささやかな読書会を催したいと思います。
 どうか活字マニアの皆さま、
 最後までお付き合い下さいませ。

「よろしくおねがいィいたしまスゥ!」
「がるがるるー!」(訳:お願いしますー!)

 20世紀後半の日本エンタ界のスーパースター
 『クレイジーキャッツ』の一員として世に出た谷さん。
 お仕事の中心は当然ながら、
 音楽であり、ステージでのライブであり、
 映画であり、TVでのショーであったわけですが、
 谷さんの存在なくしてはこの御本もなかった!
 と言うべき書物もあるのです。
 ↑画像右側は、そんな御本の一例、
 『NHK 美の壺』シリーズの一冊です。

「たにさんがァ、しゅつえんしていたァ、ばんぐみィでスッ!」
「がるぐるぐるるる!」(←訳:長寿番組になったんだもんね!)

 拙ブログでも、たびたび御紹介しております『美の壺』の御本……
 初代『美の壺ナビゲーター』谷さんの出演が光ったがゆえに、
 現在も続くほどの人気を博したのだと信じております。

 そして、もう一冊!
 
 《谷さんだとしか思えない》!
 そんなキャラクターさんが登場するのが、こちらです。

 小林信彦さん著の『ちはやふる奥の細道』!!

「ぱちぱちぱちィ! けッさくゥなのでスよッ!」
「がるがるぐるる!」(←訳:快作で怪作だよね!)

 以前に御紹介いたしました『ちはやふる奥の細道』――
 芭蕉さんは忍者の末裔、いえ、現役ニンジャなのだ!
 と誤解?した米国人の日本研究家さんが
 言語の壁もなんのその、
 奇々怪々な俳聖・芭蕉一代記を書き上げる……?
 という、仰天の一冊です。
 その第十五章『幻住(ジ・アンリアル)』で
 ニンジャ芭蕉さんの心の師?となるのが。

 我嘲(がちょう)禅師さま。

「がちょん?」
「がるるるー!」(←訳:我嘲だよー!)

 野に『我嘲!』と叫べば飛ぶ鳥が落ち、
 『眉崙(びろ~ん)!』と挨拶すれば客人も凍りつく――
 こんな偉業を成し遂げる禅師さまは、
 そう、谷啓さん、でしょう!

 著者の小林さんは、クレイジーキャッツの映画脚本にも関わった、
 谷さんをよく知る《身内》の一員さん。
 そんな事実を噛みしめて読み直せば、
 『波羅法侶秘令(はらほろひれ)』とステップを踏む禅師さまは、
 もう、谷さん以外の何者でもありません。
 
「かちょいィでスゥ、ぜんじさまッ!」
「がるがるる!」(←訳:アンコール!)

 谷さんが旅立った世界へ、
 アンコールを乞う私たちの声は届くでしょうか。
 楽しげに、アッハッハッ、と笑うあのお顔を、
 もう一度見せてくださいと願う想いは……?


 谷さん、どうか安らかに。
 
 映画の中に、
 音楽、TV、そして書物の中でも、
 あなたは永遠の星です。
 
コメント (4)
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