テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

湯けむりは時の扉?

2010-09-02 23:29:45 | ブックス
 歴史的に暑~い夏、ですって?
 でも、もう9月!読書の秋がやってきますよ♪
 こんにちは、ネーさで――

「わぐゅわぎゃァ~ッ!
 ネーさッ! たいへんでスゥ!」
「がるるるーる!」(←訳:ひゃーあ!)
「このひとォ、すッぽんぽんッ!でスよゥッ!!!」

 ……あのね、テディちゃに虎くん、
 その程度のことで驚いてちゃいけないわ。
 本日ご紹介いたしますこちらの、
 表紙の画の御方の職業は、お風呂の設計技師さん。
 衣服をすぱっと脱いだ姿も、
 ま、ユニフォームみたいなものですね。

「……ふァ? ゆにふォむゥ??」
「……がるるー?」(←訳:ホントかなー?)

 本当ですってば。
 では、あらためて御紹介いたしましょう。
 お風呂マニアの方々、じゃなかった、活字マニアの皆さま、
 こちらを、どうぞ~!


 
                ―― テルマエ・ロマエ ① ――


 
 著者はヤマザキマリさん、’09年12月に発行されました。
 2010年のマンガ大賞、
 さらには第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した作品として
 既に御存知の活字マニアさんも多いと思われます。
 
 主人公は、栄光のローマ市民!
 浴場設計の技師さんである
 ルシウス・モデストゥスさん!

「えェ~? ほんとにィ、おふろやさんッ?」
「がる~ぐるるる~!」(←訳:へ~お風呂屋さんなんだ~)

 その解釈、微妙に違いますわよ。
 時代は古代ローマ、
 賢帝と呼ばれたハドリアヌス帝の御世でございます。

 ルシウスさん、
 いきなり浴場設計のお仕事をクビになっちゃいました。

「うぎゃッ! またまたァ、たいへんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:どうしよう!)

 君の設計思想は古い! 古過ぎる!
 と決めつけられ、設計事務所の職を失ってしまったのです。
 沈む彼を、友人のマルクスさんは誘ってくれました。
 風呂に行こう!
 浴場(テルマエ)で湯を浴びて、スカ~ッとしようぜ!

 そうして訪れた浴場の湯船から、
 ルシウスさん、
 現代日本の銭湯――お風呂屋さんに
 タイムトリップしてしまったのが、
 ウンのツキ!

「たいむとりッぷゥ?」
「ぐるるがるるっ?」(←訳:来ちゃったの日本へっ?)

 ルシウスさん、驚愕に目を丸くいたします。
 おお!
 壁に描かれているのは、ポンペイのヴェスビオス火山!!

「……あのゥ~、あれはァ、ふじさんでスゥ~」

 タイル床には、
 美しい黄色い容器が!

「がるぐるるーがる?」(←訳;それはケロリンの洗い桶だよ?)

 風呂上りの、このドリンク……美味である!!

「それねッ、ふるーつぎゅうにゅうッ!」
「がるぐるるーがるる♪」(←訳:ぼくコーヒー牛乳の方がいいな♪)

 お風呂を愛してやまない古代ローマの人々と、
 お風呂なしにはいられない現代日本の私たちと、
 お風呂設計こそ生涯のテーマ!と自認する?ルシウスさん。
 そんなルシウスさんが、タイムトリップで得た収穫とは――?

 でも、なんで現代の日本なのかしら?
 トルコのハマムとか、
 北欧のサウナとかじゃなくて、
 なぜ日本のお風呂、なんでしょう??
 ルシウスさんと日本のお風呂、
 よっぽど引き合う何かがあったのでしょうか……。

「うむゥ! おふろへのォ、じょうねつッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:お風呂のためなら危険も何のその!)

 短編5話が収録された、
 一流のSF作品であり、コメディであり、
 哲学書の風格さえ備えた最上のコミックです!
 活字マニアさんもお風呂愛好家さんも、
 ルシウスさんの冒険にぜひ応援を!
 もうすぐ第②巻も発売されるそうですよ♪

「るしうすおにィさんッ、
 ゆあたりィ、しないでねッ!」
「がるがるぐるる!」(←訳:お風呂はリラックスで!)
 
 まずは、ひとっ風呂ならぬひとっ読みを、ぜひ!
 
コメント
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