テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 天上の音、天空の楽 ―

2011-11-04 23:32:45 | ブックス
「♪る~る~るるる~る~♪」
「♪がるる~る~♪」

 ……こんにちは、ネーさです。
 どうやら、え~、音楽の秋!を強調したい毛玉が若干名いるようですが……。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ! ♪るる~♪」
「がるる!♪ぐるる~る~♪」(←訳:虎です!♪ららる~る~♪)

 では、私ネーさも……いえ、歌いません、歌いませんてば。
 我々へなちょこ音楽ラヴァーズの代わりに、
 本日ご紹介いたします一冊が、
 奏でてくれますよ天使の音色、天上の楽を!
 さあ、音楽を愛する活字マニア諸氏よ、こちらを、どうぞ~!

  


 
            ―― ストラディヴァリウスの真実と嘘 ――


 
 著者は中澤宗幸さん、2011年4月に発行されました。
 表紙の、著者名の横には、やや小さめな字で、こう記されています――
 “ヴァイオリンドクター”と。

「どくたーッ??」
「ぐるるがるがるる?」(←訳:お医者さまですか?)

 兵庫県生まれの著者・中澤さんは、
 ヴァイオリンをはじめとする弦楽器の製作者さんであり、
 修復を請け負う技術者さんでもある御方です。
 奥様は、ヴァイオリニストの中澤きみ子さん。
 御本の表紙写真に写っているのは、きみ子さんと、
 きみ子さんの腕に抱かれた1717年製のストラディヴァリウス『ハンマ』なんですよ。

「わおゥ!
 ほんもののォ、すとらどッ!」
「がるる!」(←訳:これが!)

 音楽ファンでなくとも、
 クラシック音楽に疎い方々にも、
 その名を知られる楽器製作者ストラディヴァリと、
 彼が造り上げた作品《ストラディヴァリウス》。

 中澤さんは、卓越した技術と情熱をもって、
 ストラディヴァリの時代に製作された多くの弦楽器を修理&修復し、
 美しい音色が甦るよう、
 力を尽くしているドクターさんなのですね。

「むゥ! たいへんなァ、おしごとォでス!」
「ぐるるがるるるぐるる!」(←訳:昔むかしの楽器だもんね!)

 現存する最古のヴァイオリンは、
 イタリアのアンドレア・アマティさん(1505?~1578?)が製作した
 1564年製のもの、だそうです。
 アマティさんの孫ニコロ・アマティさんは
 クレモナを《楽器の町》たらしめた名工さんでした。
 そして、ニコロさんの弟子にあたるのが、
 アントニオ・ストラディヴァリさん(1644?~1737)。

 折しも、ヨーロッパ文化はバロック――
 日本では江戸期の、元禄とか綱吉とか、ま、そういう時代だったのね。
 時代の波を、当時の演奏者たちの要望を、
 若きアントニオさんは
 見事にとらえます。
 天才ストラディヴァリ!
 欧州の王さまたちは、こぞってクレモナのストラディヴァリ工房に
 楽器を注文したのでした。

「みんながァ、ほしがるゥ、てんかのォ、めいさくゥ!」
「がるるーぐるぐる!」(←訳:町も大繁盛ー!)

 けれど、時の流れは無情。

 天才の名作も、
 それに見合った手入れをしなくては、
 天上の音色もひび割れてしまいます。

 そうなったら……楽器は、ヴァイオリンドクターのもとへ!

「でばんでスゥ、どくたーッ!」
「がるぐるがる!」(←訳:治してあげて!)

 ヴァイオリンの歴史、
 アントニオさんの生涯にまつわる謎の数々、
 ストラディヴァリウスにつきものの伝説は嘘かまことか、
 中澤さん御自身はどのようにヴァイオリンと出逢い、
 製作・修復への道を進んでいったのか――

 ヴァイオリンにかける熱い思いに圧倒され、
 ぐいぐいと引き込まれる深遠なストラディヴァリウスの世界!
 音楽好きさんは、もうぜひ!
 活字マニアさんにもぜひのおすすめ!
 コンサートへお出掛けする前の、必需本ですよ~♪

「よんだらァ、あなたはァ、ききたくなるゥ~!」
「ぐるるるぐるがるがる!」(←訳:ヴァイオリンを、聴きたくなる!)

 御本に付属の、ヴァイオリン共演CDも必聴です♪
 
  
 
コメント
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