テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

裏の裏に、詩歌の心?

2011-11-18 23:22:00 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 コンビニやスーパーの店頭に『しょうが湯』がずら~り!の週末ですね。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょうがでェ、ほかほかッ♪」
「ぐるる!がるぐるぐうるがるる!」(←訳:虎です!ジンジャラーの季節だ!)

 生姜、シナモン、ハバネロ……
 いえ、ハバネロは遠慮しておくことにして、
 あったか食材で防御を固めたら、
 お部屋でぬくぬく、今日も読書タ~イム!
 本日は、こちらのニャンコ、じゃなかった、一冊を、どうぞ~!

  


 
                 ―― にゃん恋 ――


 
 編者は新人物往来社の皆さん、2011年8月に発行されました。
 にゃん恋?
 ニャンコの写真集かしら?
 それとも随筆集? 愛猫家日記? 育成ガイドかな?
 と思いながら、この御本を手に取れば……あ~ら、びっくり!

「なにごとでスかッ?」
「がるぐるる?」(←訳:どうしたの?)

 恋愛詩を添えた、
 ニャンコの写真集。

 のように見えますが、何かヘンです。
 
 ページの隅に印刷されているのは……

 万葉集?
 古今と新古今の御歌も?
 
 これって、いったい……??
 首を傾げながら眺めていて、はっ!と、
 いえ、パパッ!と、私ネーさの頭の上で電球のスイッチがオン!

 もしかして、これは――

 意訳!

「いやくゥ???」
「ぐるぐるるがる~?」(←訳:よく解らないや~?)

 例を挙げましょうね。
 51ページには、このような詩が掲載されています。

 『不思議だなぁ。
  あなたに出会うまえ、
  どんなふうにすごしていたっけ。』

 そして、ページ隅には、小さく、こちらの御歌が。

 『思へども なほぞあやしき 逢ふことの
  なかりし昔 いかでへつらむ』

「むむッ、なるほどォ!」
「がるるがるぐる!」(←訳:分かってきたかも!)

 62ページには、こんな詩が。

 『わずらわしいことは
  なにもかも忘れて、
  ふたりだけの世界にいきたい。

  ふたりでただ、
  手をつないでいたいんだ。』

 そして、この御歌も。

 『人もなき 国もあらむか 我妹子(わぎもこ)と
  携ひ行きて たぐいて居らむ』

「むゥ!」
「がる!」

 は~い、そうです!
 お解りになりましたね!
 可愛いニャンコの写真に添えられた詩は、
 なんと!
 万葉集や古今和歌集、新古今和歌集の古歌を
 現代語に訳したもの!
 いえ、現代口語に意訳したもの、なのでした!

 巻末の解説によれば、
 『思へども…』の御歌は、『村上天皇 斎宮女御集』。
 『人もなき…』は、『大伴家持 万葉集』。
 
 うぅ~む、感心! 唸らされました!
 意訳というか、超訳というか、
 こういう仕立て直しの方法も、あるんですね!
 古い御歌がこんな形に、
 どろろん!と化けちゃう、いえ、生まれ変わっちゃうとは!

「ちょッとォ、みらくるゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:手品みたい!)

 紀貫之さん、
 草壁皇子さま、
 権中納言敦忠さん、
 藤原俊成女さん、
 崇徳院さま、
 さらに、よみ人知らずの御歌の数々が、
 あっ!と驚く、
 おお!と納得する、
 むむ?と考えさせられる、
 優しく、
 ときに切なくも過激な現代詩の姿を装って再生する『にゃん恋』詩歌、
 まずは本屋さんで実物を手に取って御覧ください!
 
 日本に生まれ、
 日本語を愛する活字マニアさんの胸に、
 じんわり、ほんわり、と
 きっと何かが、届きますよ~♪

「にゃんこまにあさんもォ、よんでねッ!」
「ぐるぐるがるがるるる~♪」(←訳:仔ニャンコきゃわゆいのだ~♪)
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする