テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

我らが、『東京』。

2011-11-10 23:13:33 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 祝!斉藤和義さんの新曲『やさしくなりたい』大ヒット~!!
 ……え? ドラマですか?
 ドラマは……斉藤さんの曲が流れるエンディングパートだけ、拝見しております♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪やさしくゥなりィたァいィ~♪」
「がるる♪ぐるるがるがるる~♪」(←訳:虎です!強くなり~たい~♪)

 ビートルズの武道館公演をリメイク?したようなPVも素敵なんです!
 機会があれば、活字マニアの皆さまも御覧になってくださいね♪
 では、斉藤さんの曲をBGMに、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― 東京ロンダリング ――


 
 著者は原田ひ香さん、2011年7月に発行されました。
 表紙には、小さな文字で……『Tokyo Laundering』と英題名が記されています。
 いま話題の御本ですね!

「ふむむゥ? ろんだりんゥ??」
「ぐるがるるるがるるぐる~?」(←訳:聞いたことある言葉だね~?)

 ロンダリング、と耳にして、
 多くの御方は、マネーロンダリング、という言葉を思い浮かべることでしょう。
 ロンダリング、だけでも、
 辞書検索で『(不浄な金の)洗浄』と出てくるほどです。

 この御本でのロンダリングは、でも、
 出所の怪しい金銭をマトモなお金に見せかける違法手段、ではありません。
 
 連想していただきたいのは、
 ランドリー、の方ですね。
 そう、コインランドリーのランドリーです。
 洗濯、清掃、清めること。

「おせんたくゥ、でスかッ」
「ぐるるがるがるる~?」(←訳:東京をお洗濯ぅ~?)

 東京のいったい何をお洗濯しちゃうのか?
 ものがたりの主人公・りさ子さんの行動を観察すれば、
 答えは分かる、のでしょうか?
 失礼ながら、
 りさ子さんの日常をじ~っと観察させていただいちゃいますと……

 何もありません、ね。

「ふァ? なにィもォ?」
「ぐるがるるっ?」(←訳:何も無しぃ?)

 日がなアパートにこもって外出もせず、
 何をしているわけでもない――ように見えはしますが、
 実は、それがりさ子さんのお仕事、
 りさ子さんにしかできないお仕事、なのでした。

 事故や事件があった不動産賃貸物件に入居し、
 “ここで何かがあった”痕跡、記憶を消すこと。
 まっさらに清め、
 部屋をニュートラルな状態へ回復させること。
 それが、りさ子さんの仕事、『ロンダリング』です。

「じじじッ、じけんッ?」
「がるっ?」(←訳:事故っ?)

 ええ、そうなんですよね。
 事件、事故が起こった部屋……
 あんまり気持ちの良いものじゃありません、
 短時間そこを訪れるだけならまだしも、
 住まなくちゃならない、
 そこで暮らさなくちゃならない、なんて。

 りさ子さんのお仕事は、ですから、
 傍で見るよりも難しく、
 誰にでも可能な仕事ではないんです。
 しかも、りさ子さん、優秀です。
 彼女が暮らした部屋はすぐ入居の申し込みが来る。
 新しい入居者が苦情を言い立てることもない。

「ふァうゥ~! かんぺきィ!」
「ぐるるがるぐるるー!」(←訳:すごい仕事ぶりだー!)

 物件から物件へ、
 りさ子さんの旅にも似たロンダリングは続きます。

 けれど、或る部屋のロンダイングを始めたりさ子さんを待っていたのは、
 想定外の、
 いえ、想定していなくもなかった事態でした。
 さて、どうしたものか……?
 りさ子さんの心は、おおいに騒ぎます。

 ミステリとも、
 文芸作品とも受け止められる風合いの
 《東京》の現代を描いたものがたり、
 一度でも、
 都庁の展望台から、
 東京タワーの展望フロアから、
 眼下に広がる首都のパノラマを眺めた経験がある御方なら、
 りさ子さんの思いに共感できるかもしれません。
 東京に住む、
 日本に住むすべての活字マニアさんに、
 おすすめです!

「とうきょうッぐらしのォ、あなたにィ!」
「ぐるるがるがるがるるるー♪」(←訳:読んでほしい一冊ですよー♪)
 
コメント
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