テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

話そう、動物語♪

2011-11-29 23:29:18 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ぬくぬく布団が手離し難い、寒ぅ~い朝が増えてきましたね。

「こんにちわッ、テディちゃでス! すとーぶゥ、だしまスかッ?」
「がるる!ぐるるるぐるがるーる?」(←訳:虎です!暖炉に火を入れますかー?)

 そうね!では薪を一束! 
 と言いたいところですが……我が家に暖炉はございません。
 ですが、この御方のお家には、ありますよ!暖炉が!
 さあ、本日の読書タイムの訪問先は、こちら~!

  



            ―― ドリトル先生の世界 ――


 
 著者は南條竹則さん、2011年9月に発行されました。
 前々回記事では宮崎駿さん著『本へのとびら』を、
 前回記事では海野弘さん監修『おとぎ話の幻想挿絵』を御紹介いたしましたが、
 今回も挿絵つながり!
 挿絵が重要な意味を持つ児童文学の世界を探検する御本の登場ですよ~♪

 あらゆる動物と自在にお話しができるただひとりのお医者さま――

 そのひとの名は、
 ジョン・ドリトル医学博士!

「うむむゥ!
 テディちゃ、しッてるでスよゥ、どりとるはかせッ!」
「がるがるるるぐるる!」(←訳:映画にもなったね!)

 第一次世界大戦の直後から書き始められたこの物語は、
 書籍化された際、著者のヒュー・ロフティングさん御自身が
 挿絵を描いたことでも知られています。
 そう!
 有名な《ドリトル先生》シリーズも、
 挿絵を欠いては成立しない作品、だったのです。

「おしつゥおされつゥ!」
「ぐるるがるるーぐる!」(←訳:スズメのチープサイド!)

 物語に出てくるどのキャラクターも、
 ロフティングさんの挿絵なしでは、どんな生きものなのか、
 ちょっと想像がつかないところがありますよね。
 言い換えれば、
 ロフティングさんは文章と絵筆の両方で、
 長大な作品世界を構築していったのでした。

 この御本は、
 ドリトル先生の世界と作者ロフティングさんの研究書であり、
 いかにしてドリトル先生は誕生したのか、
 ドリトル先生を囲む時代の有りよう、
 愛すべき主役&脇役さんたちの解析、
 またロフティングさんの生涯をも追いかけて行く“追慕”の書物でもあります。
 
 児童文学史にも稀な、
 《ドリトル先生》を生み出した作家さんの素顔とは、
 どんなものだったのでしょう?

 ドリトル先生のお家がある、
 英国の片田舎のパドルビーとは、
 どんな町だったのか――モデルとなった町はあるのでしょうか?

「おおきなァ、おにわのォ、あるおうちィッ!」
「ぐるぐるるるがる~」(←訳:柳の木があって~)
「わにがァ、いたのでスよッ♪」

 子どもの頃、
 ドリトル先生の物語に接し、幸福な時間を過ごした活字マニアさんには
 なんとも嬉しく、懐かしさをおぼえずにはいられなくなる御本です。
 犬のジップ!
 食べるの大好き豚のガブガブ!
 家政を監督するアヒルのダブダブ!
 ネコ肉屋のマシューにトミー・スタビンズ少年!
 キャラさんたちの名を耳にするだけで、
 帆を広げ、船出するドリトル先生を見送るカモメたちの声が聞こえてくるかのようです。
 目的地は、はるかなアフリカ!

「ようそろッ!」
「がるるるー!」(←訳:全速前進ー!)

 これこそまさに、
 動物語を話せたら!と
 昔も今も密かに願う活字マニアさんのための一冊ですよ♪

「にんげんにもォ、どうぶつゥにもォ、おすすめッ!」 
「がるっ♪」
 
コメント
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