テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

御守り必携の《謎》ものがたり。

2011-11-07 23:21:54 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今度こそ本当に寒くなる!という天気予報を聞いて、
 モコモコの長~い靴下をスタンバイ!
 ……ううむ、寒くならなかったら、どうしましょ?

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 テディちゃはァ、とうがらしィ、すたんばいッ!」
「ぐるる!がるがるぐるるるるぐるー!」(←訳:虎です!ボクは生姜をスタンバイだー!)

 生姜大好き♪ジンジャラーさんたちにもおすすめの、
 本日の読書タイムは……
 はい、ちょっとスリリングな、こちらの一冊を、どうぞ~!

  


 
               ―― よろずのことに気をつけよ ――


 
 著者は川瀬七緒さん、2011年8月に発行されました。
 先日ご紹介いたしました玖村まゆみさん著『完盗オンサイト』と同じく、
 第57回江戸川乱歩賞受賞作品です!
 川瀬さん、おめでとうございます!

「おめでとうございまスゥ! ぱちぱちぱちィ!」
「ぐるるーがるるーがるる!」(←訳:やりましたね!おめでとうーっ!)
「……あれッ?」
「がるっ?」(←訳:おやっ?)

 どうしましたか、テディちゃ、虎くん?

「ひょうしにィ、なにかァ、かいてあるでス!」
「ぐるがるぐるがるーぐるるがる!」(←訳:目立たないけど、書いてある!)

 あら、よく気が付きましたね、
 そうなんです、細く小さな文字で、
 表紙カバーには、或る文言が記されているのです。

  表の中に裏があり、裏のなかには表ある
  西へ向いては五郎子に 東に向いては前鬼、後鬼
  北へ向いては剣の護法童子 南へ向いては谷の底
  師走の月に雪なくば、よろずのことに気をつけよ

「なッ、なぞめいてェまスねッ」
「ぐるるるがるがるぐるがるるる~」(←訳:クリスティのミステリを思い出すよ~)

 乱歩賞はミステリ作品を対象にした文学賞ですが、
 ミステリにも色々と種類があります。
 “本格もの”、
 “密室もの”、“暗号もの”や“宝探しもの”、
 “ハードボイルド”、“警察小説”……
 ほんと、数え切れないほど、把握し切れないほど、なのですけれど。

 あるんですね、
 いうなれば“呪術系”とでも呼ぶべき分野が。

「ひえェッ、のろいィッ?!?」
「がるるーぐるぐるがる!」(←訳:呪術なんてー危険だよう!)

 中澤大輔(なかざわ・だいすけ)さんは、
 文化人類学を大学で教えている学者さん。
 いえ、お偉い教授さん、ではありません。
 若い非常勤講師さんの彼は、
 古~い借家で、書物に囲まれた生活を送っています。

 そんな中澤先生の知識をあてにして、
 依頼が飛び込んできました。

 或る事件に、
 呪術が係わっているらしい。
 現場の床下から発見された呪具の鑑定をしてもらえないだろうか、と。

「ひええええェッ!
 ほんとォのッ、のッ、のろのろのろるるッ???」
「ぐるるがるがるがるるー?」(←訳:21世紀のこの世の中に呪いー?)
「じょうだんだよゥッ、たたたッ、たぶんッ!」

 中澤先生は、しかし、
 ひと目見た途端、
 呪具に《本気》を読み取ります。

 本当の、本物の呪術が行われている……!
 丑の刻まいりをも上回る邪悪な、禍々しい呪い――

「ぎゃうゥーッ!」
「がるーっ!」

 不思議な文言は、
 事件にどう作用するのか?
 呪術の目的とは?

 北森鴻さんの《蓮杖那智フィールドファイル》シリーズを除けば、
 真正面から呪術を扱ったミステリ作品って、
 ありそうでなかったなあ、と
 著者さんの視点に感心させられます。
 ミステリ好きの活字マニアさんは、
 この展開を、解決を、ウンチクを、
 はたしてどう評価するのでしょう?
 マエストロ乱歩先生の名を冠した賞に輝く期待の作品、
 活字マニアさんは、読み逃しなく~!

「えんがちょッ!
 えんがちょッしながらァ、よもうゥッ!」
「ぐるるがるがるるー!」(←訳:御守りも必携でー!)
 
 
コメント
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