テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

未知なる《東京》史!

2013-03-11 23:17:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むゥ~! にねんがァ、すぎましたでス!」
「がるる!ぐるるるるがるる……!」(←訳:虎です!思い出すのもつらい……!)

 こんにちは、ネーさです。
 震災から、2年を経た今日、
 被災地へ、そして自分の故郷へと
 思いを馳せた方々も多かったことでしょう。
 本日の読書タイムでは、
 私たちにとって重要な都市《東京》への想いが詰まった貴重なノンフィクション作品を、
 さあ、どうぞ~! 

  



 
              ―― 私の東京地図 ――



 著者は小林信彦さん、2013年1月に発行されました。
 『MY TOKYO MAP』と英語題名が付されています。

「ほんとうのォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:東京人さん!)

 以前より申し上げておりますように、
 私ネーさは東京の八王子生まれ、
 つまりは“多摩っ子”です。

 それに比べ、いえ、比較するのも申し訳ないのですが、
 この御本の著者・小林さんは
 非の打ちどころのない、根っからの
 “東京人”さん!

「とうきょうはァ、にほんばしィ!」
「がるがるる!」(←訳:お家は老舗!)

 ええ、そうなんです。
 小林さんの御実家は、
 東京市日本橋――現在の東京都中央区日本橋の
 和菓子屋『立花屋』さん。

 ですから、もしかしたら
 現在は小説家・評論家・コラムニストとして活躍する小林さん、
 江戸時代から9代続く老舗さんの、
 10代目の御主人になる、ところだったのかもしれませんが……

 時代がそれを許しませんでした。

 戦争は、東京を焼野原にしてしまったのです。

「くうしゅうゥでェ~…」
「ぐるる~…」(←訳:お家が~…)

 この御本は、でも、恨み節から成るものではありません。

 第二次世界大戦が終わり、
 再建進む只中の東京で青春を過ごした小林さんの、
 ちょっとほろ苦い、
 昭和の東京の回想記であり、
 現在の東京観察記でもあります。

 かつての東京駅が持っていた歴史的な“重み”、
 閑静な住宅地であった表参道と
 『橋立(はしだて)書店』という洋書や雑貨を扱うお店が
 のちに玩具店『キデイランド』になったこと――

「えッ? ほんやさんッ??」
「ぐるるがるるるっ?」(←訳:キデイランドがっ?)

 コマのように回る舞台があったコマ劇場の土地には
 『菊座』という歌舞伎の劇場が建つ予定だったこと、
 建設中の伊勢丹新宿店さんの工事現場で
 あやうくお金を奪われそうになったこと――

「ええッ! それはッ」
「ぐるがる!」(←訳:大変だあ!)

 渋谷、六本木、赤坂、
 有楽町や銀座、日本橋、
 本所、深川……

 若き小林さんがTVのお仕事をしていた当時、
 再建途上だった東京の街々は、
 今また大きく変わり、
 そしてさらに変化してゆこうとしています。

 東京に生まれ育った方々は、きっと、
 各章の描写に
 特別な思いを抱かずにはいられないでしょう。

 そう、昔の東京ってこんなだったよなあ、
 地下鉄は無くて、
 首都高なんてのも無くて、と。

「いまとはァ、ちがうゥ、とうきょうッ!」
「ぐるぐるがるるるるがる!」(←訳:ボクらが知らない東京!)

 春から東京に住む予定!という御方に、
 とりわけおすすめしたい《東京》ガイドです。
 もちろん、東京在住者さんも、ぜひ!



 
 

 
 
コメント
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